「Dispatch」をClaude Codeで実現する方法 ー 「公式機能じゃない」で諦めるの早い

Two robotic hands exchanging a glowing data relay labeled RELAY | B-47 in a digital network with interconnected glowing nodes.

このブログについて: 開発経験ゼロの私(セルシー)が Claude を毎日1つ試して記録する学習ブログ「zeroCC」です。

【お詫びと訂正】

本記事には一部誤りがあった。Claude Code に Dispatch 相当の公式機能が存在しないという前提で書いていたが、実際には Anthropic が 2026年2月25日に「Claude Code Remote Control」を Research Preview として公開していた。執筆時点で見落としていた点をお詫びしたい。各手段の詳細と比較は後続記事「Claude Codeをスマホから操作する4つの方法を調べた」を参照してほしい。

以下、当時の本文を記録としてそのまま残す。


先に言っておく

Claude Code(Anthropic が提供するターミナル向けの AI コーディングツール)のターミナルで /dispatch と打って、見事に何も起きなかった。
Claude Cowork(デスクトップアプリ版)で話題になった「Dispatch」が、Claude Code でも当然使えるものだと思い込んでいた。実際には、/dispatch という公式スラッシュコマンドは存在しない。
そっか、ないなら作ればいい。お弁当だって「外で売ってないから家で作る」を毎日やっている。今日はそれの IT 版。


何の役に立つのか

そもそも「Dispatch」は2026年3月に Anthropic が Claude Cowork 向けに発表した機能。スマートフォンから Claude にタスクを依頼でき、実行は自分のデスクトップ側で勝手に進む。結果は帰宅してから受け取る、という遠隔バトンタッチが成立する。飛脚も真っ青の分業制。

ところが Claude Code(CLI 版)にはこの公式機能が存在しない/dispatch も「dispatch」という名前の MCP(Model Context Protocol、Claude に外部機能を足す仕組み)も、リサーチプレビューを含めて公開されていない。

💡 私は最初、Cowork の Dispatch と、コミュニティが作った Claude Code 用の dispatch スキルを「同じもの」だと勘違いしていた。実際には方向性も別で、前者は「スマホ→PCの遠隔指示」、後者は「メインの会話を軽くするためにサブエージェントへ仕事を回す」発想。名前が同じだとここまで紛らわしいとは思わなかった。


それ、誰かが作ってませんでした?

調べたら、Claude Code 用の dispatch というコミュニティスキルを GitHub で公開している人がいた。

メインの会話を司令塔役にして、実際のリサーチや実装はサブエージェント(別の Claude が独立した会話の中で作業する仕組み)に丸投げする、という設計。コンテキストウィンドウ(Claude が一度に覚えていられる文章量の上限)を温存できるのが売りらしい。

「自分で組むのは面倒」という人は、まずこのスキルを読むのが近道。インストール手順は別記事で扱う予定なので、今日は「世にこういうものが出回っている」という事実だけ握って先に進む。


セットアップの全体像

公式機能がなくても、Claude Code は部品を全部揃えてくれている。Anthropic 公式の @anthropic-ai/claude-agent-sdk(エージェントを作るための SDK、npm で配布されている公式パッケージ)を含め、組み合わせれば Dispatch っぽい挙動は手元で再現できる。役割は3つに分かれる。

  • サブエージェント ー タスクを切り出して、別コンテキスト(メインとは独立した会話空間)で動かす担当
  • フック(Hooks) ー サブエージェントの開始・終了を検知して、次の処理を自動で連鎖させる仕組み
  • スケジュールタスク ー 「指示は今、実行は後」の時間差を作る仕組み

これを足すと「私は別のことをしていて、裏で勝手に分担が進んでいる」という Dispatch の本質が、Claude Code 単体で味わえる。料理でいうと、レンジ・オーブン・タイマーをそれぞれ仕掛けて、戻ってきたら全部できあがっているあのリズム。


コピペして使える例

ここからは実際にファイルを置いていく話。プロジェクトの直下に .claude/agents/ というフォルダを新しく作り、その中にサブエージェント定義ファイルを置く流れ。

まず .claude/agents/researcher.md にサブエージェントを定義する(Markdown のフロントマターで書く形式)。

---
name: researcher
description: 指定したテーマの公式ドキュメントを読んで要点をまとめるエージェント
tools: WebFetch, Read
model: sonnet
---
あなたはリサーチ専任のサブエージェントです。
渡されたテーマについて、公式ドキュメントを優先して3点に要約してください。
出力は Markdown の箇条書きで。

次に .claude/settings.json にフックを書いて、サブエージェントが終わるたびにログを残す。

{
  "hooks": {
    "SubagentStop": [
      {
        "matcher": "researcher",
        "hooks": [
          {
            "type": "command",
            "command": "echo \"researcher done at $(date)\" >> ~/dispatch.log"
          }
        ]
      }
    ]
  }
}

最後に scheduled-tasks(Claude のスケジュール実行機能)で「明日の朝7時に researcher を起動して結果を notes フォルダに保存する」を仕込めば、出かける前に予約 → 帰宅したら成果物がある、という Dispatch のリズムが再現できる。echo 1行でログを残しているだけなのに、ちょっと自動化マスターになった気がする。Hooks のいいところは、この勘違いを安く生産してくれること。

💡 ポイントはサブエージェントが別コンテキストで動くこと。メインの会話をリサーチログで埋めずに済むので、結果として体感の作業効率が上がる。


引っかかりやすいポイント

  • dispatch という名前の公式 MCP は存在しない: claude mcp add dispatch のような公式コマンドは通らない。スマホからの遠隔起動は Cowork 側の話で、Claude Code とは別物として整理する。
  • サブエージェントは Cowork の Dispatch と違って「常駐」しない: 起動するたびに新しい文脈で立ち上がるので、長期記憶を持たせたければ auto-memory(会話をまたいで情報を引き継ぐ自動記憶機能)か、ファイルに書き出して読ませる必要がある。記憶を持たないドリー(『ファインディング・ニモ』のあの魚)が毎回挨拶からやり直すあれ、と思っておけば事故が減る。
  • コミュニティスキルは公式サポート対象外: 不具合は GitHub の Issues で議論することになる。Anthropic 公式に問い合わせても答えてもらえないので、自己責任の精神で導入する。

3行でまとめると

Claude Code に「Dispatch」という公式機能はない。
代わりにコミュニティスキルが GitHub にあり、自分で組むなら Agent SDK のサブエージェント+フック+スケジュールタスクで近い挙動が組める。
次に /dispatch と打つときは、空打ちじゃなくて、ちゃんと自分で仕込んだエージェントが返事してくれる予定だ。


関連リンク

この記事について

本記事はAI支援を経て作成しているため、内容に誤りが含まれる可能性があります。実行前に公式ドキュメントをご確認ください。
情報は公開日時点でのものです。Claudeの機能は頻繁に更新されるため、最新情報はAnthropic公式サイトをご参照ください。
本記事の内容は筆者個人の学習過程であり、いかなる保証もするものではありません。


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