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  • スケジュールタスク ー 「毎朝7時に同じ作業」、ようやく卒業した

    スケジュールタスク ー 「毎朝7時に同じ作業」、ようやく卒業した

    カテゴリ: ワークフロー 公開日: 2026-05-05


    「あれ、私、これ毎朝やってない?」

    ある朝、私はメールを開いて、ニュース記事を3つ読んで、Slackをざっと眺めて、要約をメモ帳に書き写していた。手が止まったのは7日目だった。「これ、Claudeに頼んだら一発じゃない?」と気づいた。さらに次の瞬間、もっと怖いことに気づいた。「いや、そもそもClaudeに頼むのも、毎朝私が起こしてる」。これがスケジュールタスクとの出会いだった。

    「毎朝7時に〇〇しておいて」と一度だけ伝えれば、あとはClaudeが勝手に動いてくれる。私は使ってはいた。ただ、使い方が「適当」だった。今日はその「適当」の中身と、ちゃんと使ったらどう変わったかを書く。


    結論マップ(ビフォー/アフター)

    観点Before(適当に使ってた頃)After(ちゃんと使った今)
    起動方法Claudeを開いて、毎回「いつものお願い」と打つ朝7時に勝手に動いてGmailに結果が届く
    設定の中身「毎日」とだけ言って、時刻をClaudeに任せていたcron式(0 7 * * *)で時刻を明示
    失敗時の挙動失敗していたかすら気づかない通知が来ないことで「何かおかしい」と気づける

    スケジュールタスクって、結局なに?

    スケジュールタスク(scheduled tasks)は、Claude Coworkに「この作業を、このタイミングで、自動で実行して」と登録できる機能。Cowork(Claudeのデスクトップアプリ内にある作業モード。ファイル操作や外部連携ができる)で動く定期実行の仕組み、と思っておけばいい。

    公式ヘルプセンターによれば、登録時に「hourly/daily/weekly/weekdays/manually」のいずれかを選べる。”manually” は「自動では動かさず、ボタンを押したときだけ動く」モード。「毎日同じ作業」だけじゃなくて「ワンクリックで呼び出せるショートカット」としても使える。私はここを最初知らなくて、半月くらい損していた。


    最小ステップで作ってみる

    公式の手順は驚くほど短い。

    1. 左サイドバーの「Scheduled」を開く(Coworkモード)
    2. 右上の「+ New task」をクリック
    3. プロンプト欄に「やってほしい内容」を書く
    4. 頻度(hourly / daily / weekly / weekdays / manually)を選ぶ
    5. 「Save」を押す

    たぶんこれで7割の人は満足する。私もそうだった。「daily」を選んで、文章だけ書いて、「Save」。それで翌朝ちゃんと動いてくれる。動いてくれるんだけど、時刻はClaudeにお任せになっている。これが今回の話の発端。

    「7時に動いてほしいのに、9時に動く」みたいなことが起きる。/schedule というスキルを使うか、登録モーダル内でcron式を直接入れると、時刻まで自分で握れるようになる。


    動くプロンプト例:朝のニュース要約タスク

    「平日の朝7時に、今日チェックすべきニュースを3本にまとめてGmailに送る」を作るときの中身。

    頻度: weekdays(または cron 式: 0 7 * * 1-5)
    プロンプト:
    今日の日付は {{date}} です。以下を順番に実行してください。
    1. WebSearch で「Claude OR Anthropic ニュース」と検索し、
    過去24時間以内に公開された記事を最大10件取得
    2. その中から「私の仕事に関係しそう」「初心者向けの新機能」の
    2軸で重要な3本を選び、それぞれ100字以内で要約
    3. Gmail MCP で create_draft を使い、
    件名「【朝のClaudeニュース3本】{{date}}」で下書き保存
    成功・失敗どちらの場合も、最後に1行で結果サマリーを出力すること。

    💡 自動実行されるタスクは、途中で「これでいいですか?」と聞き返せない。だから「成功時はこう、失敗時はこう書いて終わる」まで指定しておく。これは公式ドキュメントでも繰り返し強調されている。


    つまずいたところ

    • PCが寝てたら動かない: スケジュールタスクは「PCが起きていて、Claudeデスクトップアプリが開いている」ときにしか動かない。寝かせていた朝はスキップされる(次に起こしたタイミングでまとめて実行される挙動)。私は最初これを「壊れた」と勘違いした
    • 「毎日」だけだと時刻が選べない: 厳密な時刻が必要なら、登録時に 0 7 * * * のようなcron式(時刻を5項目で表す書き方。例の 0 7 * * * は「毎日7時0分」)を直接入れる。/schedule スキルを呼べば「朝7時に」と日本語で書いても自動でcron式に変換してくれる
    • 失敗したかが見えづらい: 自動実行のログは Cowork 側に残るが、見に行かないと気づかない。タスク本体に「最後にGmailへ通知する」「失敗したらSlackに送る」までセットで書いておくと、「通知が来ない=失敗」と分かるようになる
    • manually モードを見落としがち: 「自動で動かさず、押したときだけ動く」モード。「決まったプロンプトを毎回打ちたくない」ときの専用ボタンとして使える。私はこれを知ってから、長文プロンプトを3つ登録した

    まとめ:「決まった作業」はもう、私の仕事じゃない

    スケジュールタスクのありがたさは、朝起きてからの最初の30分が、自分のためだけの30分になることだと思う。決まった作業はClaudeが先に終わらせてくれる。私はその結果を読むところからスタートできる。

    「適当に使ってた」のと「ちゃんと使った」の差は、cron式を1行書いただけだった。たった1行で、毎朝の30分が返ってきた。これはちょっとズルい。


    関連リンク


  • Live Artifacts ー 毎朝同じ質問していた私の、卒業記念日

    Live Artifacts ー 毎朝同じ質問していた私の、卒業記念日

    カテゴリ: Cowork特有 公開日: 2026-05-02

    このブログについて: 開発経験ゼロの私(セルシー)が Claude を毎日1つ試して記録する学習ブログ「zeroCC」です。


    つまりこういうこと

    毎朝、私は同じ作業をしていた。Coworkを開く。Gmailコネクタにつないで「未読のうち、件名に『請求書』が入っているものを教えて」と打つ。出てきたリストをメモ帳に貼る。Slackコネクタに切り替える。「昨日以降、自分宛のメンションある?」と打つ。出てきた結果をさっきのメモ帳に追記する。最後にスケジュールタスクの状況を聞いて、メモ帳の下に並べる。

    これを4月の頭からずっと続けていた。実時間にして毎朝7分。週で35分、月で2時間半。「これ自動化できないんですか」と何度もClaudeに聞いて、そのたびに「スケジュールタスクで毎朝メールに送ることはできますよ」と言われ、「メールで届くと結局Gmailを開くから、Coworkで開きたいんですよ」と返して、平行線。Live Artifactsという機能が4月20日に出ていたことを、私はその2週間後の今朝、ようやく知った。先に言っておくと、私が3週間ぶん損していた話である。


    結論マップ(ビフォー/アフター)

    場面これまでLive Artifactsを知った後
    朝の確認作業Coworkで毎朝3つのコネクタに同じ質問を投げ直す1ページを開くだけ、自動で再取得される
    結果の保存メモ帳に手で貼って、昨日のぶんは消える永続HTMLとして残り、セッションをまたいで再オープンできる
    カスタマイズ「並び替えて」と毎回お願いするフィルタや並び順は localStorage に記憶されて、次に開いても残る

    要約すると、「一度しか使わない回答」が「再利用できるダッシュボード」に化ける機能だった、ということだ。3週間ぶんの平行線、いま回想すると恥ずかしい。


    要するに何ができるか

    Live Artifactsは、Coworkが作ってくれる 「永続するHTMLページ」 のこと。普通のチャット回答との一番の違いは、開きなおすたびに、つないでいるコネクタから最新データを引っ張ってきて自分で再描画する点にある。

    公式ヘルプセンター(support.claude.com)の説明を私の言葉でまとめ直すとこうなる。Coworkに「毎朝のチェック用ダッシュボードを作って」と頼むと、ClaudeはMCP(Model Context Protocol、ClaudeとGmail・Slack・Notionなどをつなぐ共通規格)の許可されたコネクタにアクセスして、HTMLとJavaScriptが詰まった単一ページを生成する。そのページは Coworkの中に保存され、サイドバーから何度でも再オープンできる。再オープンするたびに、HTML内のJavaScriptがコネクタを叩き直し、画面の数字や一覧が更新される。

    つまり、一回限りの「答え」ではなく、そのまま使えるツールが手元に残るということだ。今までのチャット回答は、優秀なバイト君に毎朝「同じ仕事を頼む」状態だった。Live Artifactsは、その仕事を1ページの紙にまとめて壁に貼って、データの部分だけが毎朝勝手に書き換わる ー そういう違いがある。たとえはちょっと変だが、二宮金次郎の像が毎朝勝手に違うページの本を読んでいる、みたいな話で、「そこにいてくれる」のが地味にありがたい。

    💡 覚えておきたい1点:Live Artifactsは「中の処理」が動くページなので、つなぎ先のコネクタが切れている/権限が外れていると、開いても空っぽになる。これは後の「ここで止まった」で詳しく書く。


    とりあえずやってみる

    セットアップは、設定ファイルを書く系の作業ではなく、Coworkに普通に頼むだけだった。拍子抜けするくらい短い。

    1. Coworkを開いて、新しいセッションを始める(既存のセッションでも動くが、最初は混乱を避けるため新規がおすすめ)
    2. つなぎたいコネクタ(Gmail、Slack、Calendarなど)が「接続済み」になっていることを確認する。MCPの一覧画面でコネクタ名の横に緑のチェックが出ていればOK
    3. 毎朝チェック用のLive Artifactを作って。Gmail(未読件数)・Slack(メンション)・スケジュールタスク(次の起動予定)を1ページにまとめて。」のように、何を・どのコネクタから・どう並べたいかを1メッセージで伝える
    4. Claudeが下書きを生成し、サイドバーに「Open Artifact」ボタンが出る。これを押すと別パネルでHTMLページがレンダリングされる
    5. 1回目のオープン時に、各コネクタへのアクセス許可が確認される。「Approve」を押すと以降は自動取得(次回以降は許可不要)

    何を・どのコネクタから・どう並べたいか」を最初から一文で伝えるのが一番のコツだった。私は最初これを「Gmailの未読を見せて」と短く頼んでしまい、ただの一回限りのリストが返ってきて「あれ、永続化されてない」と慌てた。Coworkにとって「ライブアーティファクトとして作って」というキーワードが入っているかどうかは、要件の重みになる。


    実際に打ったプロンプト

    私が今朝、最終的に動いた状態にたどり着いたプロンプトはこれだ。コピペして自分の用途に合わせて書き換えて使ってほしい。

    毎朝チェック用の Live Artifact を作ってください。
    【含めるもの】
    1. Gmail:未読のうち、件名に「請求書 / invoice / 領収書」を含むスレッドを上から5件
    2. Slack:直近24時間で自分宛のメンションを上から10件(スレッド名・送信者・本文の冒頭60字)
    3. スケジュールタスク:次に起動予定のタスク名と起動時刻を3件
    【表示の希望】
    - 1ページ縦並び、各セクションに見出しをつける
    - 件数が0件のセクションは「なし」と1行だけ表示
    - ページ上部に最終取得時刻を「YYYY-MM-DD HH:mm:ss」形式で表示
    - 並び順の好み(新しい順/古い順)は localStorage に記憶し、次回開いた時に復元
    【外部ライブラリ】
    - Grid.js を使ってよい(テーブルの並び替え用)
    - それ以外のCDNは不要
    ボタンや派手な装飾は要りません。シンプルなテキストとリストで。

    💡 コツ:「ライブアーティファクトとして作って」と明示するのと、要件をブロックごとに区切って書くのがポイント。フリーフォーマットで頼むと「一回限りの整形済みリスト」を返してくることがあって、それは Live Artifact ではない。

    うちの環境ではこれで一度で通った。プロンプトが長く感じるかもしれないが、毎朝7分かかっていた作業を一度きりの2〜3分の入力で永久に置き換えられると思えば、たぶん人類で一番割の良いタイピングだ。


    ここで止まった

    私が3週間損していたのには、それなりの理由がある。実際にやってみて、躓いたポイントを順に書いておく。

    • コネクタが繋がっていないと「ただのHTML」になる: 1回目に開いたとき、Slack部分だけ真っ白だった。理由はSlackコネクタが先週外れていたのに気づかず、再接続せずに作ってしまったから。Live Artifacts自体はちゃんと作られているのだが、中身を取りに行くMCPの先が無い、という状態。コネクタの接続状態は作る前にMCP一覧画面で点検しておくと事故が減る。これは私の落ち度で、Coworkは何も悪くない
    • 使えるCDNライブラリが3つに限定されている: 公式ヘルプを読み返したら、Live Artifacts内から外部読み込みできるのは Chart.js・Grid.js・Mermaid の3つだけだった。私は最初「D3.jsで凝ったグラフを」と言ってしまって、「使えないよ」とClaudeに止められた(その場で素直に止めてくれて助かった)。CSSやJSの自前コードはインラインで書くぶんには制限なしだが、CDN読み込みはこの3択。過剰な期待をしないほうが、生成速度も安定する
    • localStorage 以外のブラウザストレージは使えない: フィルタや並び順を覚えてほしい場合は localStorage を使う、と書いておけば動く。ただし sessionStorage ・IndexedDB ・Cookieはサポート外で、書いてもらっても動かない。私は一度「Cookieに保存して」と頼んでしまい、見た目は動くのに次回開くと忘れている、という現象に遭遇した(サンタを信じない子どもみたいで悲しかった)
    • 「Open Artifact」を押し忘れる: 一番くだらない躓きだが、私は最初、Coworkのチャット欄に出てきた「Open Artifact」ボタンを押さずに、そのページが普通のチャット返答だと思って閉じてしまった。Live Artifactsは専用のサイドパネルでレンダリングされて初めて中のJavaScriptが動く。チャット欄に見えているのは、ただの予告編である

    3行でまとめると

    Live Artifactsは、「毎日同じ質問をしていた作業」を一回の依頼でページに固定できる機能。コネクタにつないだ最新データを、開きなおすたびに自分で取り直す ー そういう仕組みのHTMLが、Cowork内に残る。永続するから、ブラウザを閉じても明日も明後日も同じ場所から開ける。

    「同じ質問を3回した時点で、これライブアーティファクト化できないか?」と疑うクセを、まずつけたい。3週間ぶん損した私からのお願いである。チャット回答が消えていく流れ星なら、Live Artifactsはずっと光っている街灯みたいなもので、毎朝の足元を照らしてくれる方が、どう考えてもありがたい


    関連リンク


  • Hooks ー Claudeの動きの「前後」に、自分の指示を差し込む

    Hooks ー Claudeの動きの「前後」に、自分の指示を差し込む

    ずっと「お願い」していた

    毎回 CLAUDE.md に「ファイルを編集したら必ず prettier をかけて」と書いていた。Claude は気が向くとやってくれるし、気が向かないと忘れる。私と犬のしつけが同じ進捗を辿っているのを見て、これは依頼ではなく自動化の話だと気づいた。

    そこで出会ったのが Hooks(フック)だった。「Claude が動いた瞬間に、私の用意したスクリプトを横から差し込める」という、要するに 「お願い」を「実行」に格上げする仕組みである。


    結論マップ(ビフォー/アフター)

    場面Hooks を知る前Hooks を入れたあと
    編集後の整形毎回「prettier かけて」と頼むファイル編集 → 自動で prettier が走る
    危ないコマンドrm -rf を打つ前に祈る設定で問答無用ブロックされる
    終わったら通知画面を見続けて待つ終了の瞬間にデスクトップ通知が出る

    3行で済んだ。Claude にいちいちお願いするより、Claude の周りに自動ドアを設置するほうが結局は早い、というだけの話だった。


    Hooks って何

    公式ドキュメントによれば、Hooks は Claude Code のライフサイクルの特定タイミングで自動的に走る、ユーザー定義のシェルコマンド・HTTP エンドポイント・LLM プロンプト のこと。日本語で言えば「Claude の動作の前後に、自分の処理を割り込ませる栓抜き」だ。

    たとえばツール(Bash や Edit)を使う直前に走らせれば、危険なコマンドを止められる。直後に走らせれば、編集したファイルを自動で整形できる。会話が始まるとき、終わるとき、ユーザーがプロンプトを送ったとき、それぞれにフックポイントがある。

    💡 似た言葉だが、いわゆる「Webhook(外部から呼ばれる仕組み)」ではない。Hooks は自分のマシンの中で動くしかけ。つまり LINE スタンプを送るのではなく、自分の家の玄関に自動センサーライトを付ける、くらいのスケール感。


    どこに書くのか

    設定ファイルは置き場所で 適用範囲(スコープ) が変わる。これは公式ドキュメントの記載どおり:

    置き場所適用範囲共有
    ~/.claude/settings.json自分の全プロジェクト自分のマシン内のみ
    .claude/settings.jsonそのプロジェクトのみgit にコミット可
    .claude/settings.local.jsonそのプロジェクトのみgitignored

    このほか、プラグインに同梱したり、スキルやサブエージェントの frontmatter(YAML のメタ情報部分)に書く方法もある。「自分専用なら ~/.claude/、チームで共有するなら .claude/settings.json」と覚えると整理しやすい。


    どんなイベントにフックできるのか

    公式リファレンスに載っているイベントはかなり多いが、初心者がまず触りそうなのは以下:

    • SessionStart / SessionEnd — セッションの開始・終了
    • UserPromptSubmit — 私が Enter を押した直後、Claude が読む前
    • PreToolUse / PostToolUse — Claude がツール(Bash, Edit, Write, etc.)を呼ぶ直前・直後
    • PostToolUseFailure — ツールが失敗したあと
    • Stop — Claude が応答を終えた瞬間
    • Notification — Claude が通知を出すとき(権限確認など)
    • PreCompact / PostCompact — 会話圧縮の前後
    • FileChanged / CwdChanged — 監視対象ファイルが変わった/作業ディレクトリが変わった

    このほかにも SubagentStartInstructionsLoadedWorktreeCreate など細かいものが並んでいて、要は 「Claude が何かする」ほぼ全タイミングに切れ目が用意されている。映画の隙にどこでも CM が入れられる、と思うと近い。


    実例1:ファイル編集後に自動 prettier

    公式ガイドにそのまま載っている、いちばん腑に落ちる例。.claude/settings.json に書く:

    {
    "hooks": {
    "PostToolUse": [
    {
    "matcher": "Edit|Write",
    "hooks": [
    {
    "type": "command",
    "command": "jq -r '.tool_input.file_path' | xargs npx prettier --write"
    }
    ]
    }
    ]
    }
    }

    matcher で「Edit か Write のとき」と絞り込み、Claude が編集したファイルパスを jq(JSON を取り出すコマンド)で抜き出して prettier に渡す。「お願い」の文言を CLAUDE.md に何行書くより、これ1つ置くほうが効く。これは私の犬の食事よりも確実に動く。

    💡 公式が jq を前提にしているので、Mac なら brew install jq、Ubuntu なら apt-get install jq を先に入れておく。私はここで30分溶かした(jq が入っていないと、フックは静かに失敗する)。


    実例2:危ないコマンドを問答無用で止める

    PreToolUse に「Bash で rm 系のコマンドが来たら止める」スクリプトを差し込む。.claude/hooks/protect-files.sh を作って中身は公式の例から拝借(exit 2 でブロックする):

    #!/bin/bash
    INPUT=$(cat)
    COMMAND=$(echo "$INPUT" | jq -r '.tool_input.command')
    if echo "$COMMAND" | grep -qE 'rm -rf'; then
    echo "Blocked: rm -rf は禁止です" >&2
    exit 2
    fi
    exit 0

    実行権限を付けて(chmod +x .claude/hooks/protect-files.sh)、.claude/settings.json に登録:

    {
    "hooks": {
    "PreToolUse": [
    {
    "matcher": "Bash",
    "hooks": [
    {
    "type": "command",
    "command": "\"$CLAUDE_PROJECT_DIR\"/.claude/hooks/protect-files.sh"
    }
    ]
    }
    ]
    }
    }

    ポイントは exit 2。終了コード 2 は「ブロッキングエラー」と決まっていて、これを返すとツール呼び出し自体が止まり、stderr の文字列が Claude にエラーとして渡る(公式ドキュメント「Exit code output」セクション)。Claude には「あ、それはダメだったのね」と伝わるので、別の手を考えてくれる。父親の「ダメ」と母親の「いいよ」が衝突したとき、強いほうが通るアレ、と説明したい。


    実例3:Claude が止まった瞬間に通知

    長いタスクを投げて待っている間、私は別の作業をしている。気がついたら Claude は10分前に終わっていた、というのを何度かやらかしたので、Stop イベント(Claude が応答を終えた瞬間)にデスクトップ通知を出す:

    {
    "hooks": {
    "Stop": [
    {
    "matcher": "",
    "hooks": [
    {
    "type": "command",
    "command": "osascript -e 'display notification \"Claude が応答を終えました\" with title \"Claude Code\"'"
    }
    ]
    }
    ]
    }
    }

    これは Mac の例(osascript を使う)。Linux なら notify-send、Windows なら powershell.exe 経由でメッセージボックスを出す例が公式ガイドに載っている。要は 「終わり」の瞬間を取れるということ。私のスマホがピンと鳴るたび、Claude のタスクが終わっていて、Pavlov の犬のようになる未来が見えた。


    ここで止まりそうなポイント

    • 設定の置き場所を間違える~/.claude/settings.json(自分の全体)と .claude/settings.json(プロジェクト用)は別物。間違えるとフックが動かない or 全プロジェクトで暴走する。私は「家の鍵と会社の鍵を同じキーホルダーに付けたまま、うっかり会社の鍵で家を開けようとした」レベルで混乱した
    • exit 2 以外はブロックしない:終了コード 1 は「ノンブロッキングエラー」。Unix の慣習で 1 を返したくなるが、フックを「拒否」として使いたいなら必ず 2 にする。これは公式ドキュメントの「Exit code output」セクションに明記されている
    • /hooks で確認できる:今どんなフックが効いているのか分からなくなったら、Claude Code 内で /hooks と打つと、設定済みのフックが一覧で読める。私はこれで「設定したつもりで動いていなかった」ことに気づいた

    セキュリティの話(ここは飛ばさず読んでほしい)

    公式ドキュメントの「Security considerations」に明記されているとおり、Hooks は私のユーザー権限で任意のシェルコマンドを実行する。つまり、信頼できないフック設定をうっかり共有リポジトリから取り込むと、ファイルを消されたり、認証情報を盗まれたりする可能性がある。

    ⚠️ 要するに、人がくれた .claude/settings.json の中身は、見知らぬ人がくれた USB を挿す前と同じ気持ちで一度開いて読む。コマンドが読める範囲かどうか確認してから取り込むこと。便利な道具ほど、初対面の相手から黙って受け取ってはいけない。

    公式が挙げているベストプラクティスは「入力を信用せず検証する」「シェル変数は必ずクォートする("$VAR")」「絶対パスを使う」「.env.git/ には触らない」など。家の鍵を二重ロックするのと同じ感覚で、フックも二重に守る。


    全部止めたいとき

    設定を1個ずつ消す前に、disableAllHooks: true を settings.json に書けば、その階層のフックを丸ごと黙らせられる(公式リファレンス「Disable or remove hooks」セクション)。トラブルシュート時にまずこれで切り分けると早い。ブレーカーを落としてから配線を見る、あの感じ。


    まとめ/次に試したいこと

    Hooks は 「Claude が動く瞬間の前後に、自分の処理を差し込める仕組み」。お願い文を増やすより、設定1つで自動化したほうが早い場面が確実にある。

    • PostToolUse + Edit|Write … 編集後の自動フォーマット
    • PreToolUse + Bash … 危険コマンドのブロック
    • Stop … 終了通知
    • SessionStart + compact … 圧縮後にプロジェクトの大事なルールを再注入

    私が次に試したいのは、コミット前に自動でテストを走らせる PostToolUse と、ログを残す SessionEnd の組み合わせ。気がつけばリポジトリの周りに自動ドアと監視カメラと宅配ロッカーが揃っていて、私は寝ていても進捗が出る家になっているはず(は、言いすぎた)。

    なお、本記事の設定例・コマンド・イベント名は2026-04-27 時点の公式ドキュメントに基づく。Claude Code の更新頻度は高いので、実際に組む前に必ず一次情報を確認してほしい。


    関連リンク(一次情報)

  • 「Dispatch」をClaude Codeで実現する方法 ー 「公式機能じゃない」で諦めるの早い

    「Dispatch」をClaude Codeで実現する方法 ー 「公式機能じゃない」で諦めるの早い

    【お詫びと訂正】

    本記事には一部誤りがあった。Claude Code に Dispatch 相当の公式機能が存在しないという前提で書いていたが、実際には Anthropic が 2026年2月25日に「Claude Code Remote Control」を Research Preview として公開していた。執筆時点で見落としていた点をお詫びしたい。各手段の詳細と比較は後続記事「Claude Codeをスマホから操作する4つの方法を調べた」を参照してほしい。

    以下、当時の本文を記録としてそのまま残す。


    先に言っておく

    Claude Code(Anthropic が提供するターミナル向けの AI コーディングツール)のターミナルで /dispatch と打って、見事に何も起きなかった。
    Claude Cowork(デスクトップアプリ版)で話題になった「Dispatch」が、Claude Code でも当然使えるものだと思い込んでいた。実際には、/dispatch という公式スラッシュコマンドは存在しない。
    そっか、ないなら作ればいい。お弁当だって「外で売ってないから家で作る」を毎日やっている。今日はそれの IT 版。


    何の役に立つのか

    そもそも「Dispatch」は2026年3月に Anthropic が Claude Cowork 向けに発表した機能。スマートフォンから Claude にタスクを依頼でき、実行は自分のデスクトップ側で勝手に進む。結果は帰宅してから受け取る、という遠隔バトンタッチが成立する。飛脚も真っ青の分業制。

    ところが Claude Code(CLI 版)にはこの公式機能が存在しない/dispatch も「dispatch」という名前の MCP(Model Context Protocol、Claude に外部機能を足す仕組み)も、リサーチプレビューを含めて公開されていない。

    💡 私は最初、Cowork の Dispatch と、コミュニティが作った Claude Code 用の dispatch スキルを「同じもの」だと勘違いしていた。実際には方向性も別で、前者は「スマホ→PCの遠隔指示」、後者は「メインの会話を軽くするためにサブエージェントへ仕事を回す」発想。名前が同じだとここまで紛らわしいとは思わなかった。


    それ、誰かが作ってませんでした?

    調べたら、Claude Code 用の dispatch というコミュニティスキルを GitHub で公開している人がいた。

    メインの会話を司令塔役にして、実際のリサーチや実装はサブエージェント(別の Claude が独立した会話の中で作業する仕組み)に丸投げする、という設計。コンテキストウィンドウ(Claude が一度に覚えていられる文章量の上限)を温存できるのが売りらしい。

    「自分で組むのは面倒」という人は、まずこのスキルを読むのが近道。インストール手順は別記事で扱う予定なので、今日は「世にこういうものが出回っている」という事実だけ握って先に進む。


    セットアップの全体像

    公式機能がなくても、Claude Code は部品を全部揃えてくれている。Anthropic 公式の @anthropic-ai/claude-agent-sdk(エージェントを作るための SDK、npm で配布されている公式パッケージ)を含め、組み合わせれば Dispatch っぽい挙動は手元で再現できる。役割は3つに分かれる。

    • サブエージェント ー タスクを切り出して、別コンテキスト(メインとは独立した会話空間)で動かす担当
    • フック(Hooks) ー サブエージェントの開始・終了を検知して、次の処理を自動で連鎖させる仕組み
    • スケジュールタスク ー 「指示は今、実行は後」の時間差を作る仕組み

    これを足すと「私は別のことをしていて、裏で勝手に分担が進んでいる」という Dispatch の本質が、Claude Code 単体で味わえる。料理でいうと、レンジ・オーブン・タイマーをそれぞれ仕掛けて、戻ってきたら全部できあがっているあのリズム。


    コピペして使える例

    ここからは実際にファイルを置いていく話。プロジェクトの直下に .claude/agents/ というフォルダを新しく作り、その中にサブエージェント定義ファイルを置く流れ。

    まず .claude/agents/researcher.md にサブエージェントを定義する(Markdown のフロントマターで書く形式)。

    ---
    name: researcher
    description: 指定したテーマの公式ドキュメントを読んで要点をまとめるエージェント
    tools: WebFetch, Read
    model: sonnet
    ---
    あなたはリサーチ専任のサブエージェントです。
    渡されたテーマについて、公式ドキュメントを優先して3点に要約してください。
    出力は Markdown の箇条書きで。
    

    次に .claude/settings.json にフックを書いて、サブエージェントが終わるたびにログを残す。

    {
      "hooks": {
        "SubagentStop": [
          {
            "matcher": "researcher",
            "hooks": [
              {
                "type": "command",
                "command": "echo \"researcher done at $(date)\" >> ~/dispatch.log"
              }
            ]
          }
        ]
      }
    }
    

    最後に scheduled-tasks(Claude のスケジュール実行機能)で「明日の朝7時に researcher を起動して結果を notes フォルダに保存する」を仕込めば、出かける前に予約 → 帰宅したら成果物がある、という Dispatch のリズムが再現できる。echo 1行でログを残しているだけなのに、ちょっと自動化マスターになった気がする。Hooks のいいところは、この勘違いを安く生産してくれること。

    💡 ポイントはサブエージェントが別コンテキストで動くこと。メインの会話をリサーチログで埋めずに済むので、結果として体感の作業効率が上がる。


    引っかかりやすいポイント

    • dispatch という名前の公式 MCP は存在しない: claude mcp add dispatch のような公式コマンドは通らない。スマホからの遠隔起動は Cowork 側の話で、Claude Code とは別物として整理する。
    • サブエージェントは Cowork の Dispatch と違って「常駐」しない: 起動するたびに新しい文脈で立ち上がるので、長期記憶を持たせたければ auto-memory(会話をまたいで情報を引き継ぐ自動記憶機能)か、ファイルに書き出して読ませる必要がある。記憶を持たないドリー(『ファインディング・ニモ』のあの魚)が毎回挨拶からやり直すあれ、と思っておけば事故が減る。
    • コミュニティスキルは公式サポート対象外: 不具合は GitHub の Issues で議論することになる。Anthropic 公式に問い合わせても答えてもらえないので、自己責任の精神で導入する。

    3行でまとめると

    Claude Code に「Dispatch」という公式機能はない。
    代わりにコミュニティスキルが GitHub にあり、自分で組むなら Agent SDK のサブエージェント+フック+スケジュールタスクで近い挙動が組める。
    次に /dispatch と打つときは、空打ちじゃなくて、ちゃんと自分で仕込んだエージェントが返事してくれる予定だ。


    関連リンク

  • AskUserQuestion ー Claudeが逆に私に質問してきた

    AskUserQuestion ー Claudeが逆に私に質問してきた

    あれ、これだったのか

    Claudeに何かお願いしようとしたとき、ふと返ってきたのが「質問の答え」じゃなくて「質問」だった。

    え、逆になってる。

    でも冷静に考えると、当たり前の話で。職場でも「これお願いします」と言われた側の人間は「えっと、どういう形式で?」「いつまでに?」って確認しますよね。……確認しないで進めて「こうじゃなかった」ってなること、ありますよね。私はあります(しかも結構な頻度で)。

    それをClaudeがやってくれているだけ。問い返してきた = ちゃんと考えてる、ということでした。Cowork(※ClaudeのデスクトップAI作業支援ツール)に AskUserQuestion(選択肢UI) という機能があって、これがその確認の仕組みです。


    結論マップ(ビフォー/アフター)

    改善前(Before)改善後(After)
    曖昧な依頼でも問答無用で進めてしまう実行前に選択肢UIで確認する
    意図とズレた成果物が出来上がるユーザーの意図を正確に把握してから動く
    「こうじゃなかった」と後から修正最初に合わせることで手戻りがなくなる

    要するに何ができるか

    AskUserQuestion(アスクユーザークエスチョン)は、Cowork モードで Claudeが作業の前に「確認したいことを選択肢付きで聞いてくる」 機能です。

    ふだん私たちがClaudeに質問するのとは逆——Claudeが私に質問してきます。しかもボタン形式の選択肢で。テキストで長々と説明するより、ボタンをクリックするだけで意図が伝わるので、体感すごく楽です。「説明するのがめんどくさい」って思う場面ほど助かる。

    たとえば「先月の出費をまとめて」と頼んだとします。確認なしで突っ走られると、「カテゴリが違う」「単位が違う」「これじゃなかった……」という状況が普通に起きます。AskUserQuestionが入ると、Claudeは先に「どんな形式にしますか?」「カテゴリはどう分けますか?」を選択肢で出してくれます。

    ソクラテスが弟子に答えを教えるのではなく問いを投げかけて自分で考えさせた、あの問答法にちょっと似ていますが、Claudeの場合は「あなたの意図を正確に受け取りたい」という実用的な理由なので、哲学の授業は始まりません。安心してください。


    とりあえずやってみる

    特別な設定は不要です。Coworkモードで以下のような依頼を投げると、自然に体験できます。

    1. Coworkを起動して、複数の工程が絡む依頼を送る(例:「Excelファイルを整理して報告書にまとめて」)
    2. Claudeが即座に動き始めるのではなく、選択肢のパネルが表示される——「え、動いてない?」となる瞬間ですが、動いてないんじゃなく聞いてます
    3. 選択肢のボタンをクリックするか、補足テキストを入力する(難しいことはなにもない)
    4. Claudeが意図を把握してから本作業を開始する——ここからが本番

    「複数ステップある依頼」「ファイルが複数ある依頼」「形式の選択肢がある依頼」は特に確認が入りやすいです。単純な質問や一問一答の会話では出てきません。なので、いきなり使おうとしても来ないこともある。「なんか来ない」は普通です。


    実際に打ったプロンプト

    以下の2つのファイルを見て、先月の支出を
    「食費」「光熱費」「その他」に分類してまとめてください。
    添付: shopping_april.txt / bills_april.txt

    💡 ポイント: 「分類」「まとめ」「形式」が絡む依頼ほど確認が入りやすい。実は曖昧な依頼の方がAskUserQuestionが活躍する。依頼が雑なほど助かる、という逆説的な機能。

    Claudeが返してきた選択肢の例(こんなイメージです):

    どの形式でまとめますか?
    [A] 表形式(カテゴリ別)
    [B] 箇条書きリスト
    [C] 合計金額だけ出す

    Aを選ぶとそのまま表形式で出力が始まります。「えっそれだけでいいの」という使い勝手のよさ。この「えっそれだけ」感、最初体験したときけっこう感動しました。


    やらかしたこと


    • 「止まってる!」と焦って同じ指示を再送した: AskUserQuestionが表示されたとき「なんで反応がないんだろう」と思い、同じ依頼をもう一度送ってしまいました。Claudeは答えを待っていただけ。二重投稿になって少し混乱させてしまいました(ごめんなさい)。まず選択肢UIを確認するのが正解です。



    • 「なんでもいいよ」で返した: 「お任せして」と返したらClaudeは「お任せ」の中でそれなりの判断をしてくれました。出来上がったものはそれなりで、「あ、でもこっちがよかった」とは思いました。後悔はない。でも選択肢があるときはちゃんと選んだ方がいいです(当たり前のことを学んだ)。



    • 質問への返答より先に別の話をした: 「あ、でもそのファイルなんですけど、もう一個あって——」みたいな感じで別の補足を先に送ってしまい、会話がちょっとこんがらがりました。まずClaudeの質問に答えてから補足する順番が大事でした。割り込みはよくない(どこでも)。



    で、結局どうなの

    正直に言うと、最初は「いちいち確認しなくていいのに」と思っていました。早く始めてほしい、という気持ち。

    でも何度か「完成したけど形式が違う……」をやらかしてから、気持ちが変わりました。確認される一瞬を惜しんで、あとで1時間かけて修正する方がよっぽど時間の無駄です。1時間、返ってきません。

    AskUserQuestionは「Claudeが仕事をさぼっている」のではなく「正確にやろうとしている」から出てくる確認です。最初に意図を合わせるほど、最後に「こうじゃなかった」がなくなる。

    こういうことは最初から教えてほしかった。でも自分で気づく方が記憶に残るので、まあ、よかったです(そういうことにしておく)。


    関連リンク

  • アンチグラビティ vs Cowork ー 「AIツール多すぎ問題」、整理したら見えてきたもの

    アンチグラビティ vs Cowork ー 「AIツール多すぎ問題」、整理したら見えてきたもの

    カテゴリ: 学習・Tips 公開日: 2026-04-20

    このブログについて: 開発経験ゼロの私(セルシー)が Claude を毎日1つ試して記録する学習ブログ「zeroCC」です。


    先に言っておく

    「アンチグラビティって何?」「CoworkってClaude Codeとどう違うの?」——最近こういう質問を自分の中でグルグルさせていた。

    AIコーディングツールが乱立しているのはわかる。でも名前が増えすぎて、どれがどのポジションなのかわからなくなってきた(Cursor、Claude Code、Devin、Antigravity……ニュートンが見たら泣くラインナップだと思う)。

    今回は「アンチグラビティ(Google Antigravity)」と「Cowork(Claude Cowork)」を並べて整理してみる。結論から言うと、対象ユーザーがまったく違うので、どちらが優れているというより「どっちが自分向きか」の話になる。


    結論マップ(比較表)

    比較項目Google AntigravityClaude Cowork
    提供元GoogleAnthropic
    ベースモデルGemini 3.1 Pro / FlashClaude Sonnet / Opus
    主なユーザーエンジニア・開発者非エンジニア・知識労働者
    インターフェースVS Code ベースのIDEデスクトップアプリ
    価格個人は無料(パブリックプレビュー)Claudeの有料プランに含む
    コンテキストウィンドウ200万トークンプランによる
    Claude Code連携プロキシ経由で利用可能Claude Codeがベース

    要するに何ができるか

    Google Antigravity とは

    Antigravity は Google が2025年11月に Gemini 3 と同時発表したエージェント型IDE(統合開発環境)。VS Code をベースに作られていて、AI が自律的にコードを書き・テストし・デプロイまで進めてくれる仕組みになっている。

    IDEというのはコードを書くための専用アプリのことで、Antigravity はそこに AI エージェントを組み込んだもの——要するに「AIが自分でコードを書いて動かしてくれるプログラマー向けツール」だ。説明しておいてなんだが、「それって私には関係ないのでは?」という感想が湧いてくる。まあ後半で復活するのでもう少し付き合ってほしい。

    特徴的なのは Manager Surface(マネージャー画面) という機能。複数のエージェントを同時に走らせて別々の作業を並行処理できる。「え、AIをAIが管理するの?」という感じで、もう私の出る幕がどこにあるのか正直よくわからなくなってきた。

    さらに .gemini/antigravity/brain/ というフォルダに学習内容を蓄積する「記憶システム」まである。AIが経験を積んで賢くなっていく……読んでいて「これ、AIの方が先に成長するやつじゃないか」と少しソワソワした。

    コンテキストウィンドウは200万トークン(2M tokens)で、大きなコードベース全体を一度に読み込んで理解できる。200万トークンがどれくらいかというと、文庫本にして約15〜20冊分のテキストが一度に読み込める量だ。個人利用は現在パブリックプレビューで無料

    Claude Cowork とは

    Cowork は Anthropic が2026年1月にリリースしたデスクトップ専用の Claude 拡張機能。2026年4月に正式公開(GA)になったばかりの比較的新しいツールで、「あれ、こんな機能あったっけ」と思っている人もいるかもしれない。私もつい最近まで知らなかった(こちらも正直に言っておく)。

    Cowork が大きく違うのは、エンジニアじゃない人向けに設計されている点。資料作成、ファイル整理、リサーチ、メール処理——そういった「知識労働者の日常業務」を Claude が代わりにやってくれる。「AIにコードじゃなく仕事をさせる」という発想で、これは私にも関係ある話だ。

    コンピューター操作まで丸投げできる「コンピューターユース」機能があって、Claude がマウスをクリックしてアプリを開いて作業を進める……という動きが実際にできる。「え、画面を見ながら操作するの?」と思うかもしれないが、そう、そういうことだ。見ていて少し不思議な気持ちになる。

    スケジュールタスク機能を使えば、毎朝決まった時間に自動で仕事を進めることも可能。つまり「私が寝ている間にClaudeが仕事してる」状態を作れる(倫理的かどうかは一旦置いておく)。


    私が気になったポイント

    アンチグラビティで Claude Code が使える

    これを知ったとき「え、競合のツールで競合のツールが動くの?」と思った。AIツール業界、意外とおおらかだ。

    antigravity-claude-proxy というオープンソースプロジェクトを使うと、Antigravity のトークン(無料)を経由して Claude のモデルを Claude Code で使えるようになる。つまり「Anthropicの課金なしで Claude Code を走らせる」ことが可能になる。

    ざっくりした流れはこうだ:

    1. Antigravity IDE にログイン(Google アカウント)
    2. antigravity-claude-proxy start でプロキシサーバーを起動(ポート 8080)
    3. Claude Code の認証をリセットして、プロキシ経由で接続するよう設定する
    4. あとは普通に Claude Code として使える

    ……うん、手順だけ読むと「これエンジニアじゃないと無理では」というオーラを正直感じる。でも「無料で Claude Code を試したい」という需要には確実に刺さる話だ。私は試せる自信が4割くらいしかないが、情報として知っておいて損はない(残り6割は「諦める」で補完する)。


    こう書いたら動いた

    アンチグラビティ × Claude Code プロキシの設定例(settings.json の変更部分):

    {
      "apiBaseUrl": "http://localhost:8080",
      "apiKey": "antigravity-proxy-key"
    }
    

    💡 ポイント: apiBaseUrl を Antigravity プロキシのローカルアドレスに向けるだけで、Claude Code が Antigravity 経由のモデルに切り替わる。

    Cowork 側でのタスク指示例:

    フォルダ「議事録_2026」の中にあるMarkdownファイルをすべて読み込んで、
    「決定事項」「保留事項」「次回アクション」の3列で一覧表をExcelに出力して。
    
    

    💡 ポイント: Cowork は「自然言語で結果を頼む」スタイル。ファイルの読み書きからExcel出力まで一気通貫で処理できる。「どのフォルダ?」「どのファイル形式?」を省いた雑な頼み方でも意外と動いてくれる。


    引っかかりやすいポイント


    • Antigravity はエンジニア向け、Cowork は非エンジニア向け:ここを間違えると「使いにくい」と感じる原因になる。Antigravity でコードを書かずにファイル整理をしようとするのは、スーパーカーで渋滞の商店街を走るようなもの——速さが一切活かせない。



    • Cowork はウェブ版・スマホでは使えない:デスクトップアプリ(macOS か Windows)が必要。「ブラウザから Claude にアクセスするだけでいいや」と思っていると、Cowork の機能はまるごと使えない。私もデスクトップアプリを入れるまで Cowork の入口が見つからず少し迷ったので、「アプリが先」と覚えておくといい。



    • プロキシ経由の Claude Code はあくまで「非公式連携」:Antigravity の利用規約の変化や、プロキシの仕様変更でいつでも動かなくなる可能性がある。本番業務に使うのはリスクがあるので注意。「無料だからといって全力依存するのは危ない」という話は、人間関係にも通じるものがある気がする(話が逸れた)。



    今日のまとめ

    おすすめ対象
    Google Antigravityコードを書く人・複数エージェントを並行で動かしたい人・Gemini ベースで開発したい人
    Claude Coworkコードを書かない人・業務自動化をしたい人・ファイル整理や資料作成を Claude に任せたい人
    Antigravity × Claude Code無料枠で Claude Code を試したい開発者・両方のツールをうまく組み合わせたい人

    私は非エンジニアなので、日常的に使うのは Cowork の方が合っている。でも「Antigravity でも Claude Code が動く」という話は純粋に面白かった。世界が広がる感じがした——まあ、「広がった世界を私が使いこなせるか」はまったくの別問題なんだけれど(現実逃避)。


    関連リンク


    この記事について

    本記事はAI支援を経て作成しているため、内容に誤りが含まれる可能性があります。実行前に公式ドキュメントをご確認ください。
    情報は2026-04-20時点でのものです。Claudeの機能は頻繁に更新されるため、最新情報はAnthropic公式サイトをご参照ください。
    本記事の内容は筆者個人の学習過程であり、いかなる保証もするものではありません。

  • Computer Use ── 「え、PC操作まで代わりにやってくれるの」試してみた

    Computer Use ── 「え、PC操作まで代わりにやってくれるの」試してみた


    先に言っておく

    Claudeに「今の画面を見て、そのボタンをクリックしておいて」と頼めるとは、去年の私には想像もできなかった。正直、思い上がりにもほどがある機能だと思っていた(失礼なことを言っている自覚はある)。

    でも、できる。しかも今のCoworkなら、普通の会話の延長でそれが実現してしまう。すごい話をしてますよ、これ。

    「え、これって最初からできたの?」と思うかもしれない。私もそう思った。実は、Windowsで使えるようになったのは2026年4月のことで、ほんとうに最近の話だ——つまり去年の私が知らなかったのは全く正当な理由があった。正当化したかっただけとも言う。


    結論マップ(ビフォー/アフター)

    現状(Before)改善後(After)
    状況を言葉で説明しなければならないClaudeが画面を見て状況を把握できる
    全操作を自分でこなすクリック・入力をClaudeに任せられる場面が増える
    「ここをクリックして」が伝わるか不安Claudeが座標を判断して直接操作できる

    これが本体——要するにどういうこと?

    「Computer Use」とは、ClaudeがPCの画面を見て、マウス操作・キーボード入力・スクリーンショット撮影などを代わりにやってくれる機能のことだ。

    「……え、それって人間がやることじゃないの?」という感想、わかります。私も全く同じこと思いました。

    CoworkでClaudeに「スクリーンショットを撮って」とお願いすると、内部的には mcp__computer-use__screenshot(=画面を撮影する仕組み)が動いて、今まさに映っている画面をキャプチャする。さらに、クリック(mcp__computer-use__left_click)や文字入力(mcp__computer-use__type)も使えば、Claudeが実際に画面上を操作することができる。なんか怖いですね(言いたかっただけです、ごめんなさい)。

    平たく言うと、「Claudeが画面を見て→どこを押すか判断して→代わりに押す」という流れだ。説明するのに1段落かかったのに、やってることを一言でまとめると「かわりにクリックする」だけなのが若干脱力する(でもすごい)。

    ただし、アプリの種類によって「触り方」に制限がある:

    • ブラウザ(Chrome, Edge など):画面を見ることはできるが、クリック・入力はできない(のぞき見だけOKな感じ)
    • ターミナルやVSCode:クリックはできるが、文字を打ち込むことはできない(半人前みたいな権限)
    • その他のアプリ(メモ帳など):制限なし、フルコントロール(やりたい放題)

    こうやって動かした——手順が思ったより少なくて拍子抜けした

    実際にCoworkでComputer Useを試す手順はこうだった:

    1. Coworkを開いて、Claudeに「スクリーンショットを撮って」と伝える
    2. Claudeが「このアプリにアクセスしていいですか?」と確認してくる(礼儀正しい)
    3. 「許可」を押すと、Claudeが画面をキャプチャして状況を把握してくれる
    4. 続けて「〇〇のボタンをクリックして」などと指示する

    これだけ。「え、設定とかインストールとか特になしで?」と私も思ったが、ほんとにこれだけだった。拍子抜け、というのが正直なところだ。

    ちなみにClaudeは「まずMCPや拡張機能が使えないか確認してから、Computer Useに移行する」という順番を守っている。偉い。SlackやGmailはMCPが使えるのでそちら優先、ウェブはChrome拡張経由、それ以外のデスクトップアプリだけComputer Useを出動、という段階制だ。「なんでもかんでも画面を覗いてるわけじゃない」のは、言われてみれば安心できる仕様で、ちゃんと考えられているなと思った(偉い、2回目)。


    試してみたプロンプト——こう書いたら動いた

    今開いているウィンドウのスクリーンショットを撮って、
    画面に何が表示されているか説明してください。

    💡 ポイント: 「今開いているウィンドウ」と具体的に指定すると、Claudeが迷わず目的の画面を確認しに行ってくれる。「開いてるやつ」では通じなかった(1回やらかした)。

    もう少し踏み込んだ例:

    メモ帳アプリを開いて、「今日のタスクリスト」というタイトルで
    新しいファイルを作成してください。

    これを試すと、Claudeがアプリへのアクセスを一つひとつ確認しながら進めてくれる。許可ボタンを押した瞬間に「あ、本当に動いてる……」という感覚があって、思わず声が出た。隣に誰かいたらちょっと恥ずかしかったと思う。

    「完全に理解しました」と言いたいところだが、正直まだ「すごい」という感想の方が大きい。動いたのでヨシ! とだけ言っておく。


    引っかかりやすいポイント——最初でつまずいた3つ


    • アプリごとに毎回許可が必要:Claudeが「このアプリにアクセスしていいですか?」と確認してくる。確認するまで使えるかどうかわからない——シュレーディンガーのアクセス権限、とでも言えばいいか。セキュリティ上の設計なので理屈はわかるのだが、最初の数回は「またか…」とはなる(すぐ慣れます)。



    • ブラウザ操作は別の仕組みが必要:ChromeやEdgeは画面の確認はできるが、クリックや入力はできない。「じゃあブラウザで代わりに操作してよ!」という気持ちになるのは当然だが、そのためには「Claude in Chrome」という別の拡張機能が必要になる。世の中そんなに甘くない(次の記事の伏線として置いておく)。



    • センシティブなアプリでは使わない方がいい:AnthropicもResearch Preview(試験運用中)と明記している機能なので、銀行アプリや個人情報を扱うサービスでの使用は現時点では推奨されていない。「なんでも任せよう!」という気持ちはいったん保留で。



    これが言いたかった

    冒頭で「去年の私には想像もできなかった話だ」と書いたが、Windowsへの対応が始まったのは本当についこの前(2026年4月)のことだ。だから去年の私が知らなかったのは正当な理由がある。2回目の正当化ですが、今度こそ本当です。

    まだResearch Previewなので完璧ではない。操作が遅いこともあるし、センシティブなアプリでは使えない制限もある。でも「自分でやらなくていい」という選択肢が増えた感覚は、思ったより大きかった。正直、「知らなかった3年間を返してほしい」くらいの気持ちになりかけた(Windows対応が始まったのは先月なので、3年はさすがに言いすぎた)。

    最初に「できるとは思っていなかった」と書いたのに、今は「次は何を任せられるんだろう」と前のめりになっている自分がいる。

    これ、困るやつですよね(期待の方向で、ですが)。


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