タグ: ターミナル操作

  • /resume ー 「昨日の続き、もう一度ここから」と打てる魔法

    /resume ー 「昨日の続き、もう一度ここから」と打てる魔法

    知らなかった話

    /clear を覚えてから1週間、私は毎朝「昨日の続き、もう一回ぜんぶ説明し直してます」をやっていた。プロジェクト名、ファイル構成、何をどこまで進めたか。Claude は素直に聞いてくれるけれど、私は3日目には「同じ口上、3回目です」と心の中で謝っていた。歌舞伎の口上ならいいけれど、こちらは技術相談である。

    そんな私の前に /resume というコマンドがいた。「昨日のあれ、続きから」が、たった6文字で済む世界。先に言っておくと、知った瞬間、過去の自分の3日分の口上を返してほしくなった。


    結論マップ(ビフォー/アフター)

    場面これまで/resume
    翌日の作業プロジェクト概要から再説明セッション選んで Enter
    Claude の記憶毎朝リセット前日の続きから接続
    必要な情報自分の記憶力に頼るセッションIDかタイトル

    3行で済む。これを最初に貼ってほしかった、というセリフを、私は今月だけで何回言っただろうか。


    要するに何ができるか

    /resume は Claude Code(Anthropic がターミナル向けに出している AI コーディングツール)に標準搭載されている 過去のセッションを呼び戻すコマンド だ。打つと、過去のセッション一覧(インタラクティブセッションピッカー)が画面に出てきて、上下キーで選んで Enter を押せば、選んだセッションが「続き」として目の前に戻ってくる。

    近い名前のコマンドに --continue(または -c)があるけれど、これは「直近のセッションを問答無用で続きから開く」ショートカットだ。一方 /resumeどのセッションから再開するかを選ばせてくれる 親切設計。前者が「とりあえず昨日の」、後者が「リストから今日の気分のやつを」、と例えると伝わるだろうか。Netflix で「続きを観る」のサムネイル一覧、と説明するのが一番近い気がする。


    とりあえずやってみる

    1. ターミナルで claude を起動し、/resume と打って Enter
    2. インタラクティブピッカーが起動して、現在のフォルダ内のセッションが一覧表示される(新しい順)
    3. 上下キーでセッションを選ぶ。タイトル・最終更新時刻・メッセージ数がプレビュー表示されるので、目当てのものを探す
    4. Enter で確定すると、選んだセッションが続きから読み込まれる
    5. そのまま「昨日の続きで、〇〇を直したい」と打てば、Claude は前日の文脈を踏まえて返してくる(「今日は何を?」とは聞かれない)

    私が使ったコマンド

    架空の旅行アプリ「jp-vacation-planner」を Claude と一緒に設計していた、という設定で読んでほしい(実在しません。私は今のところ、近所の銭湯にしか出かけていません)。

    > /resume
    Resumable sessions in /home/celcy/jp-vacation-planner:
    ▸ 2026-04-29 18:22 jp-vacation-planner 初期設計
    Last: "次は予算入力フォームのバリデーションを追加する"
    Messages: 47
    2026-04-28 21:05 jp-vacation-planner プロジェクト立ち上げ
    Last: "OK、まずはルート構成から決めましょう"
    Messages: 12
    [Enter] resume [↑↓] navigate [/] search [esc] cancel
    > (Enter で1番目を選択)
    Resuming session sess_8c4b... (2026-04-29 18:22)
    Loaded summary: jp-vacation-planner の初期設計セッション。47メッセージ。
    > 続きです。予算入力フォームのバリデーションから始めましょう。

    💡 ポイント: セッションが大きすぎて全部読み直すと使用量を圧迫しそうな場合、Claude は「全文を読み直す代わりに要約から再開しますか?」と提案してくれる。長文ファイルを毎朝全部音読するわけじゃない、ありがたい配慮である。なお、/resume 検索ボックスに GitHub・GitLab などのプルリクエストURLを貼ると、そのPRを生成したセッションを探してくれる機能も2026年4月のアップデートで入った(これは便利すぎて、私は3回見直した)。

    検索したいときは / を押すとフィルタが出るので、プロジェクト名や作業内容のキーワードで絞り込める。


    最初で詰まった3つ

    • -c で十分じゃない?」と思ってスルーしていた: claude --continue-c)は直近1件しか開かない。複数プロジェクトを同時並行している人は、3日前のあのセッションを呼び戻したいシーンが必ず出てくる。私はメモアプリと旅行アプリと家計簿を並行して相談していたので、毎朝「どれが直近だっけ」と賭けに出ていた。/resume は賭けを終わらせてくれた
    • セッション内の「許可」だけ復元されない: 会話履歴は全部戻ってくるけれど、セッション中に与えた一時的なツール実行許可(bash 実行を1回だけ許可など)は復元されない。再開後に同じ操作を頼むと「もう一度許可してください」と聞き直される。お辞儀は丁寧で気持ちがよい。びっくりしないこと
    • タブ補完で勝手に再開していた事故(修正済み): 2026年4月のアップデート前、/resume をタブ補完するとピッカーが出ずに任意のセッションがいきなり開いてしまう不具合があった。今は修正されているけれど、「あれ、何を選んだっけ」と感じたら、esc で抜けてもう一度 /resume を打ち直せば安全

    で、結局どうなの

    /resume昨日の自分にバトンを渡すコマンド だ。/clear がリセットボタン、/compact が要約しながら続ける道具なら、/resume は「タイムマシンの行き先を選ぶ」コマンドである。

    これを覚えてから、私は朝の口上を完全にやめた。Claude も「初めまして」を3回繰り返さされる日々から解放された(と勝手に思っている)。技術相談は続きものでよい、という当たり前のことに、私は1週間かけて気づいた。同じことに気づきかけている人がいたら、「6文字で済むよ」と先に言っておきたい。


    関連リンク

  • 隠しファイル ー 「.claudeフォルダ」が見つからなくて、3日詰まった

    隠しファイル ー 「.claudeフォルダ」が見つからなくて、3日詰まった

    ウォーリーをさがせ、状態だった

    C:\Users\ユーザー名\.claude\settings.json を編集してください」。チュートリアルにそう書いてあった。私はエクスプローラーを開いた。Users を開いた。自分の名前のフォルダを開いた。.claude フォルダを探した。ない。

    ない。何度見てもない。スクロールしてもない。検索してもない。私はその日、3時間ほど「自分のパソコンには .claude フォルダが存在しないバグ」と本気で戦って、最終的にClaude本体の再インストールまで試した(もちろん解決しなかった)。先に結論を言うと、フォルダは最初からそこにあった。ただ私の目に映っていなかっただけである。ウォーリーは赤と白のシマシマで主張しているが、隠しファイルは主張すらしてくれない。


    結論マップ(ビフォー/アフター)

    場面これまで隠しファイル表示後
    .claude フォルダ「存在しないバグ」と疑う普通にユーザーフォルダ直下にある
    .gitconfig などの設定ファイルチュートリアルが嘘だと思う一覧にちゃんと並んでいる
    表示切り替え知らない(3時間悩む)エクスプローラーの「表示」から1クリック

    3行で済む。ウォーリーは見つかれば赤白シマシマだが、隠しファイルは表示設定をオンにすれば普通の名前で出てくるだけだった。


    そもそも「隠しファイル」とは

    隠しファイル(および隠しフォルダ)は、ファイル管理ツールが標準では一覧に表示しないファイルのこと。Windowsだと、ファイルの「属性」に 隠し(Hidden) という旗が立っているもの、もしくは 名前がドット(.)で始まるもの(後者はもともとUnix系の慣習)が、エクスプローラーの初期設定では非表示になる。

    なぜ隠すのかというと、OSやアプリの動作を支える「触ってほしくない設定ファイル」が、普段の作業の邪魔にならないようにするためだ。.claude.gitconfig.env.ssh など、ドットで始まるフォルダ/ファイルは、各アプリが「自分の設定置き場」として勝手に作っていく場所で、たいていは触らないほうが幸せに暮らせる。Claudeの設定をいじるときだけ、こちらから「ちょっと見せて」とお願いする、くらいの距離感がちょうどいい。

    ちなみに、ドットで始まる名前のことを英語圏では dotfile と呼ぶ。「設定ファイルの集合体」の通称みたいなもの。Macを使っている開発者の方が「dotfilesをGitHubで公開してます」と言っているのは、たいていこのドット系設定の集まりを共有している、ということだ。


    Windowsで表示する:3クリックで終わる

    1. エクスプローラー(Windowsのファイル管理ツール)を開く
    2. ウィンドウ上部の 「表示」 メニューをクリック
    3. 出てきたサブメニューで 「表示」 にマウスを合わせる(同じ名前が二段階続くので、ここで一度迷子になりがち)
    4. 一覧の中にある 「隠しファイル」 にチェックを入れる
    5. 一覧に薄い色の .claude フォルダや AppData などが追加で表示されるようになる

    これで .claude フォルダが姿を現す。薄いアイコンで表示されるのは「これは隠しファイルですよ、本当にいじっていいんですか?」というOSからの優しい警告だと思っている(薄いまま3日くらい眺めていれば、勝手に消えてくれるわけではない)。

    なお、Windows 10 の頃はリボン(タブ式メニュー)の中に「隠しファイル」のチェックボックスがあった。Windows 11 で「表示 → 表示」の二段構えに変わって、これが地味に分かりにくい原因になっている。私もWindows 10時代の手順をうろ覚えで探していて、しばらく途方に暮れていた。


    PowerShellで一発で見る方法

    エクスプローラーの設定をいじりたくない、見るだけ見たい、という場合は、ターミナル(PowerShell)から覗くのが速い。

    # 隠しファイルも含めてユーザーフォルダの中身を一覧
    > Get-ChildItem -Force C:\Users\Ranni
    # 略記版(dirとlsはGet-ChildItemの別名)
    > dir -Force C:\Users\Ranni
    > ls -Force C:\Users\Ranni
    # .claudeフォルダの中身を直接見る
    > Get-ChildItem -Force C:\Users\Ranni\.claude

    💡 ポイント: -Force オプションが「隠しファイルも全部見せて」のスイッチ。これを付けないと、PowerShellでもエクスプローラーと同じように隠しファイルが省略される。コマンドプロンプト派の人は dir /a でも同じことができる(/a が「全部表示」フラグ)。「/なのか-なのかキッチリしてくれ」と言いたくなるが、これはWindowsの歴史の都合なので、両方覚えるしかない。

    エクスプローラーの設定を恒久的にオンにしてしまうと、システムフォルダ(普段は触らないやつ)まで一斉に薄く出てきて視界が騒がしい。「触りに行くときだけPowerShellで覗く」 というやり方は、いつもの机の上を散らかさずに済むので、私は最近こちらを使うことが多い。


    Macで表示する場合(参考)

    私はMacを持っていないので実機では試していないが、公式ドキュメントや一般的なTipsとして広く紹介されている方法をひとつだけ書いておく。Finder(Macのファイル管理ツール)を開いている状態で、キーボードの Cmd + Shift + .(ピリオド) を押すと、隠しファイルの表示が切り替わる、と紹介されている。もう一度同じキーを押すと非表示に戻る、いわゆるトグル式。

    つまり、「隠しファイルを見たいときだけパッと出して、見たら戻す」が1ショートカットで済む、ということになる。Windowsの「表示 → 表示 → チェック」の3段階よりだいぶ楽そうで、これに関してはMacユーザーが少しだけ羨ましい。


    つまずいたところ

    • .claude フォルダを「Claudeアプリの中」で探していた: Program Files やインストール先を必死に探したが、.claudeユーザーのホームフォルダ直下C:\Users\ユーザー名\)にできる。アプリ本体ではなく「ユーザーごとの設定置き場」だからだ。これはWindowsだけでなくMacもLinuxも同じ慣習らしい
    • 「隠しファイル」と「保護されたシステムファイル」を混同していた: エクスプローラーには「隠しファイル」と「保護されたOSファイル」の2つの非表示設定があり、後者はさらに別チェック。.claude 程度なら「隠しファイル」をオンにすれば見えるが、AppData のさらに奥などを見たいときは両方オンが必要になることがある。普通は前者だけで足りる
    • 見えるようにしたついでに、要らないものまでいじってしまった: 表示が増えると「これ消していいかな」とつい手が伸びる。基本的に、ドットで始まるファイルは「アプリが自分のために置いた手帳」なので、勝手に消すと当のアプリが「あれ、私の手帳どこ行った?」となる。設定が初期化されたり、起動時にエラーが出たりする。見るだけにとどめるのが安全(私は一度 .gitconfig を実験で消して、Gitの自分の名前が消えた)

    今日のまとめ

    隠しファイルは、OSやアプリの設定ファイルが「日常の視界」を汚さないように、最初から見えなくしてあるだけのもの。バグでもなければ消えているわけでもない。Windowsならエクスプローラーの「表示 → 表示 → 隠しファイル」、PowerShellなら Get-ChildItem -Force。これだけで .claude フォルダは姿を現す。

    ウォーリーをさがせは見つけたら満足だが、隠しファイルは見つけてからが本番だ。設定を覗いて、必要なら少しだけ書き換えて、また閉じる。「触らない人には見せない、触る人にはちゃんと見せる」という、わりと礼儀正しい仕組みだったんだな、と今は思う(3日詰まっていた1週間前の私には、まだ伝わらないだろうけれど)。


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  • ファイルパス ー Claudeに「あれ」って言ってもダメな理由、半年かけて理解した

    ファイルパス ー Claudeに「あれ」って言ってもダメな理由、半年かけて理解した

    3ヶ月越しの正解

    「あのファイル、開いて」「どのファイル?」「あれ、あの、デスクトップにある、ほら」。私と Claude の会話、ある日のスクショは8割これだった。指差し確認の感覚で「あれ」と言っても、Claude には残念ながら指がない。指が無いというより、目がない。「画面のあれ」が見えない側の人と、私はずっと指差しでコミュニケーションしようとしていた。

    その日から私は「ファイルパス」という6文字を覚えた。これを知ってから、Claude との会話の8割は「あれ」を「C:\Users\Ranni\Documents\memo.txt」に置き換えるだけで成立するようになった。先に言っておくと、これを知るまでの3ヶ月、私はかなり遠回りをしました。


    結論マップ(ビフォー/アフター)

    場面これまでパス指定後
    伝え方「あの、デスクトップのやつ」C:\Users\Ranni\Desktop\memo.txt
    Claudeの反応「どのファイルですか?」(即読み込み)
    同じフォルダ内毎回フルパスを打つ.\memo.txt で済む

    3行で済む。これを最初に貼ってほしかった、と私は今月だけで何度言っただろうか(先週の自分にも言った気がする)。


    要するに何ができるか

    ファイルパス は、パソコンの中での「ファイルの住所」のこと。Windows なら C:\Users\Ranni\Documents\memo.txt のような、ドライブ名から始まる長い文字列で表される。「ドライブ名 → フォルダ → サブフォルダ → ファイル名」を \(バックスラッシュ・キーボードでは円マーク ¥ と同じキー)で区切って書く。

    このパスには 絶対パス相対パス の2種類がある。前者は 「住所をフルで書く」 スタイルで、C: から最後のファイル名まで全部書く。後者は 「ここからの道順」 スタイルで、自分が今いるフォルダを起点に書く(.\ が「今いる場所」、..\ が「ひとつ上のフォルダ」)。住所でいうと、絶対パスが「東京都千代田区〇〇1-2-3」、相対パスが「ここから2軒先の角」。同じ場所を指していても、伝え方が違う。


    とりあえずやってみる

    1. エクスプローラー(Windows のファイル管理ツール)で目当てのファイルを右クリック
    2. メニューから 「パスのコピー」 を選ぶ(Windows 11 なら標準装備、Windows 10 では Shift+右クリックで出る)
    3. クリップボードに "C:\Users\Ranni\Documents\memo.txt" のような形でコピーされる(両端のダブルクォートはそのまま貼ってよい)
    4. Claude Code(Anthropic のターミナル向け AI コーディングツール)のチャットに貼り付けて、「このファイルを読んで」と添える
    5. Claude はそのパスをそのまま Read ツールに渡して中身を返してくる(「あれ」のときと違って、聞き返されない)

    私が使ったコマンド

    架空のメモ整理プロジェクト「daily-notes」で作業中、という設定で読んでほしい(実在しません。私の Documents フォルダは「あとで整理する」というフォルダだけが肥大化しています)。

    # 絶対パスで指定(どこからでも通じる)
    > Read C:\Users\Ranni\Documents\daily-notes\2026-04-30.md
    # 相対パスで指定(今いるフォルダが daily-notes の場合)
    > Read 2026-04-30.md
    > Read .\archive\2026-03.md # サブフォルダ archive の中
    > Read ..\old-notes\2025-12-31.md # ひとつ上の old-notes フォルダの中

    💡 ポイント: パスの中に 空白日本語 が含まれていると、ツールによっては読み損ねる。C:\Users\Ranni\My Documents\日記.md みたいなパスは、ダブルクォートで "C:\Users\Ranni\My Documents\日記.md" と全体を囲んでおくと事故が減る。「住所が読みにくいので括弧でくくっておく」感覚。なお、PowerShell では \ の代わりに / も使える(C:/Users/Ranni/...)。混乱しそうなら \ で統一しておけば問題ない。

    絶対パスは「どこからでも通じる」のが強み。相対パスは「短く済む・引っ越しに強い」のが強み。Claude にファイルを渡すときは、慣れるまで 絶対パスのコピペ一択 で十分だ。


    やらかしたこと

    • 「ファイル名だけで通じるはず」と思っていた: memo.txt だけ書いて Claude に渡すと、Claude は「どこの memo.txt?」と困る。同じ名前のファイルがパソコンの別の場所にもあるかもしれないからだ。住所のない宅配便を出すような行為。配達員(Claude)はちゃんと困っていた。私が悪かった
    • \/ を混ぜて書いていた: C:\Users/Ranni\Documents/memo.txt のように、その場のノリで両方使っていた時期がある。動くこともあるが、動かないツールもある。Windows での「行儀のいい書き方」は \ で統一する、と覚えた。柔道着の襟元、左前と右前を間違えるあの感覚に近い(道着で初めて怒られた中学1年生の自分を思い出す)
    • PDF の中身を「これ読んで」と画像で貼り付けていた: パスを知らなかった頃、私は PDF をスマホで撮って Claude に送っていた。Claude は親切に読んでくれたが、解像度が低くて誤読する。Read C:\Users\Ranni\Downloads\契約書.pdf と1行打つだけで、本物のテキストが読める。私の3ヶ月返してほしい

    今日のまとめ

    ファイルパスは パソコン内の住所システム で、Claude に「あれ」を伝えるための正式な語彙だ。絶対パスは住所のフル表記、相対パスは道順表記。慣れるまでは「右クリック → パスのコピー → 貼り付け」の3ステップで十分戦える。

    私はこれを知ってから、Claude に「あれ」と言わなくなった。ついでに家族にも「あの、ほら、あれ」と言わなくなった(こちらは反省点が別にあった気がする)。指差しが通じない相手に、ちゃんと住所で伝える。技術相談以前の、人付き合いの基本だったな、と思う。


    関連リンク

  • /compact ー リセット癖、ようやく卒業した

    /compact ー リセット癖、ようやく卒業した

    先に言っておく

    会話が長くなって Claude の返事がもったりしてくると、私はそっとウィンドウを閉じて新しいセッションを開いていた。さっきまでお願いしていた前提も、書きかけのファイル名も、全部やり直し。儀式みたいに毎回やっていたけど、これ、本当は要らない手順だった。

    /compact という1コマンドを打つだけで、会話の中身は要約されてコンパクトになり、続きから話を進められる。知ったときの最初の感想は「私の毎晩の引っ越し作業はなんだったのか」だった。


    ざっくり言うと

    /compact は Claude Code(Anthropic がターミナル向けに出している AI コーディングツール)に最初から入っている 会話圧縮コマンド だ。会話のはじまりから現在までを Claude 自身が要約して、重要な決定・ファイルパス・残っているTODOだけを残し、不要な部分をごっそり捨ててくれる。

    ここで出てくる「コンテキストウィンドウ」とは、Claude が一度に覚えていられる文字量の上限のこと。これを超えると応答が遅くなったり、肝心の指示が押し出されて忘れられたりする。/compact は、その上限が近づいてきたときの 会話の片づけスイッチ だと思っていい。

    どちらかというと、メアリー・ポピンズのカバンの逆ベクトルだ。広げすぎた荷物を要点だけスーツケースに詰め直して、次の宿に持っていく方の発想に近い。


    5分でできること

    1. Claude Code でしばらく会話を続けて、画面下部に「Context: 78%」のような表示が見えてきたら準備OK
    2. プロンプト入力欄に /compact と打って Enter(タイプミスして /compcat にしないように。私はやった)
    3. 数秒で「これまでの会話の要約」が画面に表示される
    4. そのままいつも通り次の指示を打つ。Claude は要約と最新指示だけを覚えた状態で続きを話してくれる
    5. 残したい話題があれば /compact 認証まわりの実装方針を重点的に残して のように引数を添える

    ポイントは、70〜80% を超えたあたりで自分から打つ こと。空き容量が逼迫してから自動圧縮に任せると、要約のクオリティが落ちて、肝心の前提が削られることがある。先手を打つ自分のほうが、慌てている自分より仕事ができるという話だ。冷蔵庫が満杯になってから整理する人と、隙間があるうちに整理する人の差、と言ってもいい。


    コピペして使える例

    架空の旅行計画アプリを Claude と一緒に作っていた、という想定で考えてほしい(実在しません。私の現実の旅行計画はだいたい当日に駅で決まる)。会話が長くなってきたので、私は途中でこう打った。

    >> /compact 行き先別の見積もりロジックと、API キーの管理方針は必ず残してください。
    UI のデザイン議論は捨てて構いません。
    (数秒後)
    ✓ Conversation compacted.
    Kept: 旅行計画アプリの仕様 / 見積もり関数 calcTripCost() の引数 /
    環境変数 TRAVEL_API_KEY を .env で管理する方針 / 残TODO 3件
    Dropped: ボタン配色の議論 / フォント比較 / 没になったランディングデザイン
    >
    > 続きで、見積もりロジックに「祝日割増」を追加したい

    💡 ポイント: 引数で「残してほしい話題」を指定するのが効く。引数なしでも動くが、Claude の要約は「全体的に万遍なく」になりがちで、自分が本当に守りたい1点が薄まることがある。/compact取捨選択を Claude に丸投げするコマンドではなく、自分の優先順位を伝えるコマンド だと思うとうまくいく。


    私が間違えたこと

    • /clear と混同していた: /clear は会話を 完全に消す コマンドで、要約すら残らない。/compact は要約を残して続きを話せる。最初の頃、軽い気持ちで /clear を打って「あ、全部消えた」となったのは私です。Web フォームの「送信」と「リセット」を間違えるあの感覚に近い。
    • コードまでは戻らない: /compact が圧縮するのは「会話履歴」だけ。すでに編集されたファイルは元に戻らない。「軽くするついでにファイルも巻き戻る」と勘違いしていたけど、ファイルを戻すのは前回の記事で書いた /rewind(チェックポイント)の仕事。担当が違う。
    • 満タンになる前に打たないと意味が薄い: 99% まで膨らんでから打つと、要約のための処理自体に苦戦する。私は 70〜80% を目安にすると決めた。RPG で「セーブはボス手前」ではなく「町に着いたら毎回」が結局いちばん安心、というのと同じ話だ。

    覚えておくこと

    /compact は、長くなった会話を要約しながら続きを話せるコマンド。70〜80% で自分から打つ・引数で残したい話題を指定する・/clear と混同しない、この3つを覚えておけば十分使える。

    3ヶ月のあいだ、私は会話が重くなるたびにウィンドウを閉じてコーヒーを淹れ直していた。あの儀式に費やしたカフェイン量を返してくれとは言わない。けれど、/compact を1日早く知っていたら、昨日の私はもう少し早く寝られたはずだ。


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  • /clear ー 「会話、本当に全部消えるの?」と最初は怖かった

    /clear ー 「会話、本当に全部消えるの?」と最初は怖かった

    あれ、これだったのか

    /compact を覚えた翌日、また同じ場所でつまずいた。「で、/clear って何が違うんだっけ?」。前日の自分が「混同しないように」とわざわざメモまで残していたのに、翌朝の私は冷蔵庫の前で「あれ、何しに来たんだっけ」と固まる人みたいな顔になっていた。記憶喪失の主人公どころか、記憶喪失の脇役である。

    /clear を最初に打ったとき、私は本気で「Ctrl+Z で戻せる」と思っていた。戻せない。戻せないと知ってから、私はこのコマンドにきちんと敬意を払うようになった。


    結論マップ(ビフォー/アフター)

    場面/compact/clear
    会話の中身要約だけ残る完全に消える
    続きの作業前提を引き継げるゼロからやり直し
    こんな時同じ作業の続きで軽くしたい完全に別のテーマに切り替えたい

    3行で済んだ。これを最初に貼ってくれていたら、私の月曜の朝はもっと穏やかだった。


    要するに何ができるか

    /clear は Claude Code(Anthropic がターミナル向けに出している AI コーディングツール)に標準搭載されている 会話リセットコマンド だ。打った瞬間、これまでの会話履歴・要約・参照していたファイル一覧などすべてのコンテキスト(Claude が会話中に覚えている前提情報)が空になり、新しいセッションIDが発行される。

    似たコマンドに /compact があるけれど、こちらは「要約を残して続きを話せる」状態にする道具だ。/clear は要約すら残さない、文字通り 机を全部片付ける コマンドである。引っ越しではなくリセットボタン。映画でいうと、/compact は「主要キャラだけは思い出している記憶喪失モノ」、/clear は『メメント』のラスト直前で全部リセットされる側、と説明したい(観てない人ごめんなさい。要するに、めちゃくちゃ綺麗に忘れます)。


    とりあえずやってみる

    1. Claude Code を起動して、何か適当な会話を3〜4ターン続ける(例:架空のメモアプリの仕様を相談する)
    2. プロンプト入力欄に /clear と打って Enter
    3. 1秒もしないうちに Conversation cleared, new session started のような確認メッセージが返ってくる
    4. そのまま同じターミナル画面で、まったく別の話題を打ってみる(例:今度はレシピ管理アプリの設計)
    5. 試しに前の会話の単語(さっきのメモアプリ名など)を出してみると、Claude は素で「?」という顔をする(テキストなのに顔が見える、不思議)。きれいに忘れていれば成功

    私が使ったコマンド

    架空のレシピアプリ「fridge-friend」の設計を Claude と話し込んでいた、という想定で読んでほしい(実在しません。私の冷蔵庫は今だいたい白菜と豆腐で構成されています)。

    > /clear
    Conversation cleared, new session started.
    Session ID: sess_4f7a2c19b3e5d8a1
    > 別件です。jp-vacation-planner という旅行アプリの初期設計を相談したいです。

    💡 ポイント: Session ID が新しく発行されたら成功の合図。古いセッションは Claude 側でも参照できなくなるので、「さっきのレシピアプリの話、もう一回見せて」とお願いしても、Claude は丁重に「初めまして」と返してくる。完全に他人。同窓会で「俺だよ俺、覚えてないの?」と言われた側、と言ってもいい。

    /compact と違って引数(/clear 〇〇は残して のような指定)は基本的に効かない。残したいものがあるなら /compact、と覚えてしまったほうが手っ取り早い。


    ここで止まった

    • 「Ctrl+Z で戻せると思っていた」: 戻せない。/clear は完了系のコマンド(実行後は取り消し不可)。私はメモアプリの仕様を全部消したあと、5分くらい無の表情で画面を眺めた。タイムマシンが欲しくなる瞬間、上位5位には入ると思う
    • /compact の上位互換だと思っていた」: 違う。/clear は「要約も要らないから空にしてほしい」という主張のあるコマンドで、続きをしたいなら /compact、別件に切り替えるなら /clear、と用途で分けるのが正しい。柔道の払い腰と背負い投げを同じ技だと思っていた中学生の私と同じ間違いだ
    • 「auto-compact が動くなら自分で打つ必要ない?」: コンテキストが満杯近くになると確かに自動圧縮は走る。けれど、それは要約を残す動きで、別の話題に切り替えたい時はその要約がむしろ邪魔になる。レストランで前のお客さんの食器が残ったまま注文する、あの居心地の悪さ、と説明したい

    結論だけ言う

    /clear は会話を空にして新しいセッションを始めるコマンド。/compact が同じ仕事の続きを軽くする道具なら、/clear はテーマごと切り替える道具。両者を混ぜて使うと、やった本人だけが30分後に「あれ、さっきの話どこ行った」と途方に暮れることになる。

    私は /clear を覚えてから、別プロジェクトに切り替えるときの罪悪感が減った。「前の話、ちゃんと覚えていてあげなくちゃ」と Claude の背中を押すような気持ちで居続けていたけれど、別件は別件として 先に机を空にしてから始める ほうが、お互い気持ちよく仕事できる。引き出しは整理してから新しい服を入れる、というやつだ。


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  • コミュニティスキル ー 自作する前に、世界中のスキルを借りた方が早かった

    コミュニティスキル ー 自作する前に、世界中のスキルを借りた方が早かった

    知らなかった話

    「PowerPoint を作るスキルを自分で書こうかな」と一瞬本気で考えた夜があった。Claude にお願いするたびに同じ指示を貼り直すのが面倒で、これはもう自分専用のスキルを書くしかないと意気込んでいた。けっきょく書けなかった。書く前に、もっと立派な人がもっと立派なスキルをすでに公開していると知ったからだ。

    スキル(Claude に「この手順でやって」と教える定型プロンプトの束)は、世界中の人がすでに大量に作って GitHub やマーケットプレイスに置いてくれている。料理を始める前にレシピサイトを見るのと同じで、まず借りてくる方が早い。よく考えると、自作スキルなんてホイールキャップから手で削り出すような行為じゃないですか。私は素手でゴムを練ろうとしていた。


    要するに何ができるか

    「コミュニティスキル」とは、Anthropic 以外の人(個人や有志の組織)が公開しているスキルのことだ。Claude Code(Anthropic 公式のターミナル向け AI コーディングツール)に追加すると、文脈に合わせて Claude が自動で呼び出してくれる。明示的に呼びたいときはスラッシュコマンドで指定する(プラグイン経由のスキルは /プラグイン名:スキル名 のように名前空間が付く)。

    入れ方は大きく2通り。1つはプラグインマーケットプレイス経由、もう1つはGitHub から手動でフォルダに置く方法だ。前者はアプリストアっぽく一覧から選んで入れるイメージ、後者は自作スキルと同じ場所(~/.claude/skills/)に直接コピーするイメージ。

    公式マーケットプレイス(claude-plugins-official)は Claude Code を起動した時点で自動登録されているので、追加コマンドは不要。それ以外の有志のマーケットプレイスは「まずカタログを登録 → 中の好きなスキルを選んで入れる」という2段階になる。

    図書館に新しい棚を増設してから本を借りる、と思えばだいたい合っている。……この例え、伝わってますか?


    セットアップの全体像

    コマンド3つで終わると知った夜、私が git commit を100回打って練習した先週末は何だったのかと思った。

    プラグイン経由なら次の3ステップで終わる。

    1. カタログ登録:Claude Code 内で /plugin marketplace add 作者/リポジトリ を打って有志のマーケットプレイスを登録する(公式マーケットだけ使うならこの手順は不要)
    2. スキルを入れる/plugin install プラグイン名@マーケットプレイス名 で個別にインストール
    3. 読み直して有効化/reload-plugins で再読み込み。これでスラッシュコマンド一覧に追加される

    手動配置と聞くと急に身構えるけれど、要はフォルダを引き出しに放り込むだけだ。

    1. ダウンロード:GitHub からスキルが入ったフォルダ(中に SKILL.md がある)を git clone するか ZIP でダウンロードする
    2. 配置~/.claude/skills/ の下にそのフォルダごと置く(Windows なら C:\Users\ユーザー名\.claude\skills\ にあたる)。Claude Code を一度終了して起動し直すと認識される

    ~/.claude/skills/ は自分のすべてのプロジェクトで共通の引き出し。プロジェクト内だけで使いたいなら、そのプロジェクト直下の .claude/skills/ に置けば限定できる。


    動いた設定をそのまま

    架空の例で、recipe-helper という料理レシピ整形プラグインが chef-tanaka/claude-recipes というリポジトリで公開されているとしよう。プラグイン経由で入れるなら、Claude Code 内ではこんな見た目になる(> の行が私の入力、それ以外が表示結果)。

    > /plugin marketplace add chef-tanaka/claude-recipes
    Marketplace 'claude-recipes' added.
    > /plugin install recipe-helper@claude-recipes
    Installed 'recipe-helper' to user scope.
    > /reload-plugins
    Plugins reloaded.
    > /recipe-helper:recipe-helper きゅうり1本で何が作れる?

    手動で入れる場合は、ターミナルでこんな流れになる(Windows の PowerShell 例)。

    PS> cd $env:USERPROFILE\.claude\skills
    PS> git clone https://github.com/chef-tanaka/recipe-helper.git
    PS> ls recipe-helper
    SKILL.md examples/ scripts/

    このあと Claude Code を一度終了して再起動すると、/recipe-helper がそのまま呼べる。

    💡 ポイント: プラグイン経由のスキルは /プラグイン名:スキル名 のように名前空間が付く(プラグイン同士で同名スキルがぶつからないようにするため)。手動配置のスキルは /スキル名 だけで呼べる。短く呼びたいなら手動、まとめて管理したいならプラグイン。これだけ覚えておけば迷わない。


    私が間違えたこと

    ここ、絶対みんな一度はやるやつだと思うんですけど、ということでさらしておきます。

    • 公式マーケットを「追加」しようとしたclaude-plugins-official は最初から自動登録されている。私はこれを知らずに /plugin marketplace add を打って「すでにあります」と怒られた。最初に必要なのは /plugin install プラグイン名@claude-plugins-official の方だけ。
    • 置き場所を間違えた:手動配置のとき、~/.claude/skills/recipe-helper/SKILL.md ではなく ~/.claude/skills/SKILL.md のように1階層浅く置いてしまい、当然認識されなかった。フォルダごと置くのがルール。中身だけ移すと迷子になる。
    • 信頼できないリポジトリをそのまま入れかけた:スキルやプラグインはあなたのマシンで自由にコマンドを実行できる。要するに、見ず知らずの人の家のリモコンを自分の家に持ち込むのと同じだ(しかもチャンネルどころかテレビごと変えられる可能性まである)。SKILL.md の中身と、入っているスクリプトくらいは目を通してから入れる方が安全。

    覚えておくこと

    コミュニティスキルは、プラグイン経由なら3コマンド、手動なら GitHub からフォルダごとコピーで入る。プラグインは /プラグイン名:スキル名 の形式で名前空間が分かれるので衝突しないが、手動配置はシンプルに /スキル名 で呼べる。どちらも ~/.claude/skills/ の下に置けば、すべてのプロジェクトから使える。

    スキルは作るより借りる方が圧倒的に早い。GitHub の検索窓で「claude-code-skills」と打つだけで、誰かが私のかわりに考えてくれた手順がぞろぞろ出てくる。私は鍋を買う前にまずレシピを借りることにした。自作するのは、世界中の誰もまだ書いていないと確信できたときだけでいい。ボルヘスの『バベルの図書館』に置いてある気がするから、たぶん一生こない。


    関連リンク

  • ダウンロードとインストール ー 同じことだと思って混ぜて使ってた

    ダウンロードとインストール ー 同じことだと思って混ぜて使ってた


    結論マップ(ビフォー/アフター)

    項目ダウンロードインストール
    何をするファイルをPCにコピーして保存する保存したファイルを「使える状態」にする
    終わったあとフォルダに置かれているだけデスクトップやスタートメニューから起動できる
    例えるなら段ボールが家に届いた中身を出して棚に並べた

    ざっくり言うと

    ダウンロードは「ネットからPCにファイルを持ってくる」工程。スーパーで商品をカゴに入れて家まで持って帰るイメージだ。

    インストールは「持ってきたファイルを実際に使えるように設置する」工程。家具で言えば、組み立てて部屋に配置する作業に近い。届いたソファを玄関に置いたまま「届いた=座れる」と主張する人はいない。でもダウンロードに関しては、私たちは平気でそれをやる。

    ここで私がつまずいたのは、画像や音楽はダウンロードだけで使えるという事実だ。MP3を保存すればすぐ再生できる。でもソフトウェア(プログラム)は「保存しただけでは動かない」ので、別途インストールという工程が必要になる。段ボールが届いただけでは、中の猫が生きているか動いているかは確定しない——ソフトウェアも、ダウンロードしただけでは「使える」とは限らないのだ。

    ファイルの種類ダウンロードだけで使える?
    写真・音楽・動画使える(インストール不要)
    Word/Excel の文書使える(中身を読むだけなら)
    ソフトウェア(exe・dmg・sh)使えない(インストールが必要)

    一番シンプルな使い方

    ソフトウェアをPCに入れるときの、私が分解できた3ステップ:

    1. ダウンロード:公式サイトのボタンを押す。.exe(Windows)や .dmg(Mac)ファイルが、PC内のダウンロードフォルダに保存される。ここで「ダウンロード完了」と表示が出る。ちなみに私のダウンロードフォルダには、用途を忘れた .exe が3つくらい眠っている。みなさんもそうだと信じている。
    2. インストール開始:そのファイルをダブルクリックして開く。「次へ」「同意する」「インストール先を選ぶ」などの画面が出てくる。これがインストール作業の本体。「次へ」連打で結局何に同意したかは、聞かないでほしい。
    3. インストール完了:最後に「完了」ボタンを押すと、デスクトップやスタートメニューにアイコンが出る。この段階で初めて『使える』状態になる。

    スマホアプリだと、App Store や Google Play が裏で1〜3を一気にやってくれているので、私たちは「インストール」しか意識しなくて済んでいる。スマホは私たちを甘やかしてくれる。PCに来るとその優しさは消えるので、2工程が分かれて見えて混乱しやすい。


    コピペして使える例

    ここまで読んで眠くなった人、起きてください。ここからコードゾーンです。

    例えば、メモ帳の代わりに使える架空のテキストエディタ「NoteFlex」を入れるとする。

    # 1. ダウンロード(ネットから .exe を取得してダウンロードフォルダに保存)
    curl -O https://noteflex.example.com/installer/noteflex-1.0.exe
    # 2. インストール(ダウンロードした .exe を実行)
    .\noteflex-1.0.exe

    💡 ポイント: curl(カール)はネットからファイルを取ってくるコマンド。1行目はファイルを「持ってくる」だけ、2行目の .exe 実行で初めて「使える状態」になる。1行目だけだと NoteFlex は起動できない。

    ちなみに Claude Code を Windows に入れるときの公式コマンドは、この2工程を1行に詰めた書き方になっている。これは PowerShell(Windows標準のコマンド入力画面)に貼り付けて実行するコマンドだ。

    irm https://claude.ai/install.ps1 | iex

    irmiex。初見の私の感想は「呪文ですか?」だった。落ち着いて分解すると、ちゃんと意味がある。

    💡 ポイント: irm がスクリプトを「ダウンロード」、iex がそれを「実行=インストール」する役割。パイプ | の左右で工程が分かれていると思って読むと、呪文が急に普通の手順書に見えてくる。


    引っかかりやすいポイント

    これ、私だけじゃないと信じたいのですが、こんな経験ありませんか。

    • 「ダウンロードしました」を「使える状態」と勘違いする: ファイルが保存フォルダにあるだけで、実行はまだ。デスクトップにアイコンが出ていなければ、インストールは終わっていない。
    • インストール画面を閉じて『終わったつもり』になる: ウィザード(「次へ」を連打する設定画面)の途中でキャンセルすると、ファイルだけ残って中途半端な状態になることがある。最後の「完了」を押し切るまでが1セット。
    • ZIPを解凍しただけで満足する: ZIP を展開してフォルダができると「終わった感」が出る。あの達成感、わかる。でも中身の setup.exe を実行していなければ、まだダウンロード相当。解凍 ≠ インストール。

    3行でまとめると

    • ダウンロード = 持ってくる:ネット上のファイルをPCにコピーする工程。
    • インストール = 使える状態にする:ダウンロードしたファイルを設置・登録して、起動できる形に整える工程。
    • スマホはこの2工程を裏で1つにまとめてくれている:だからPCに来ると2つに分かれて見えて混乱する。

    過去の自分に教えてあげたい。ダウンロードとインストールは別の駅です、乗り換えてください、と。


    関連リンク

  • ZIP「解凍」と「展開」事件 ー 私と部長と新人の三国志

    ZIP「解凍」と「展開」事件 ー 私と部長と新人の三国志

    第一幕:事件は会議室で起きた

    ある月曜の朝、部長が私の机にやってきてこう言った。

    「セルシーさん、このZIPファイル、解凍しといて」

    「了解です」と返してファイルを受け取った私は、タスクが多すぎたので新人くんに丸投げしようと思い、こう言った。

    「これ、展開しといて」

    新人くんがキーボードに置きかけた手を止めて、まばたきを2回した。

    「……展開、ですか?」
    「うん、展開」
    「あの、3Dモデルでも作るんですか?

    会議室の空気が、止まった。


    結論マップ(先に答え)

    用語意味結果
    解凍ZIPファイルを開いて中身を取り出す同じ
    展開ZIPファイルを開いて中身を取り出す同じ

    同じです。 結論はこれです。ここで記事を閉じてもらっても構わないのですが、読み終わった人が会社で「同じだから」と部長に言うとケンカになるので、もう少しだけ事件を追ってください。


    第二幕:部長と新人の世代戦争

    私は事情を整理した。整理した結果、こうなった。

    派閥平均年齢主な使用環境口癖
    解凍派40代後半〜Lhaplus、+Lhaca、LZH時代の生き残り「解凍しといて」
    展開派20代〜30代前半Windows 11標準の右クリック「すべて展開」

    部長は、解凍派の総大将である。新人くんは展開派の前線部隊である。私はその中間に位置する国境警備兵として、両軍の砲火を受けながら毎日ZIPファイルを開いている。

    ちなみに新人くんが「3Dモデルでも作るんですか?」と返してきた理由はあとで聞いた。彼の世代にとって「展開」とは、Blender(3Dソフト)でUV展開図を作る作業のことらしい。ZIPファイルから立方体の展開図を想像する世代が、すでに存在していたのである。


    第三幕:私、ルーツを探しに行く

    両派閥の停戦のため、私はネットの森に分け入った。「なぜZIPの操作にお寿司の冷凍庫みたいな言葉が使われているのか」を解明するためである。

    辿り着いたのは、ある日本のお医者さんの存在だった。

    吉崎栄泰さん。1955年、北海道生まれ。内科医をしながら、1988年に「LHarc」という圧縮ソフトを作った人である。これがのちに「LHA(ファイル拡張子は .lzh)」と呼ばれ、日本中のフロッピーディスクをパンパンに膨らませることになる。

    このソフトの画面に、当時こんなメッセージが表示されていた。

    Freezing  : data1.txt
    Melting   : data1.txt
    

    Freezing(凍結)Melting(融解)。圧縮するときは凍らせて、戻すときは溶かす。

    💡 ポイント: ファイルを「凍らせる」「溶かす」というメタファーは、日本のパソコン通信ユーザーの間でじわじわと定着した。Meltingが日本語に乗り移った結果、生まれた言葉が——解凍

    つまり日本のZIPユーザーは、30年以上前からファイルを電子レンジで温めるような気分でPCを使っていたわけだ。私はこれを知った瞬間、コンビニのファミチキを温めるあの気持ちと、ZIPを開く気持ちが一直線につながった。胃袋とPCの間に橋がかかった。


    第四幕:Windowsが「展開」と言い出した日

    時は流れ、Windowsはバージョンを重ねた。気づけばエクスプローラーの右クリックメニューには「すべて展開」と書かれていた。Microsoftが勝手に和訳の路線を変更したのである。

    英語の「Extract(取り出す・抽出する)」を直訳した結果が「展開」だ。一方「解凍」は、英語に対応する単語がない、日本人の冷蔵庫的発想から生まれたオリジナル翻訳である。

    用語由来翻訳の方向性
    解凍日本のLHA文化 → Melting → 解凍意訳・詩的
    展開Microsoftの公式UI → Extract → 展開直訳・実務的

    つまり部長はを、新人くんは仕様書を読んでいるのだ。会議室で噛み合うわけがない。


    第五幕:実験してみた

    伝聞だけで終わるのもアレなので、私はZIPファイルに向かって声を出してみた。

    私: 「あなたを解凍します」
    ZIP: (中身が出てくる)
    私: 「あなたを展開します」
    ZIP: (中身が出てくる)
    私: 「あなたを溶かします」
    ZIP: (中身が出てくる)
    私: 「あなたを開示します」
    ZIP: (中身が出てくる)
    

    ZIPは何を言っても開く。 言葉を選ぶのは人間の都合であって、ZIP本人は気にしていない。これは大きな発見だった。

    ちなみに、コマンドラインで操作するなら、Windowsではこう打つ。

    # ZIPファイルを開く(呼び方は心の中で自由)
    Expand-Archive -Path .\sample.zip -DestinationPath .\output
    

    💡 ポイント: Expand-Archive はPowerShellの標準コマンドで、ZIPの中身を指定フォルダに取り出す。コマンド名の動詞は Expand(展開する)。Microsoftはここでも「展開」で揃えている。一方で、Mac勢は unzip sample.zip と打つ。Macは「ジップを脱ぐ」派である。


    エピローグ:会議室に戻る

    私は部長と新人くんに、調査結果をこう伝えた。

    「解凍と展開は同じです。ただし、解凍は北海道生まれの詩、展開はMicrosoft発の翻訳です」

    部長は「ふーん、ロマンがあるな」と言った。新人くんは「3Dじゃなくてよかった」と言った。私のZIPファイルは、その間ずっと机の上で待機していた。

    職場で世代の違うメンバーとZIPの話をするときは、こう言うのが一番穏便だと学んだ。

    そのファイル、開いといて。

    圧縮を解く動作を、開くという日本語が全部包み込んでくれる。 言葉の包み紙としての「開く」は偉大である。


    まとめ:今日の学び

    • 「解凍」と「展開」はZIPに対しては同じ意味。中身が出てくる結果はまったく一緒
    • 「解凍」は日本独自のロマン用語(LHAのMeltingメッセージが起源)
    • 「展開」はWindows公式の翻訳路線で、若い世代の標準語になりつつある
    • 世代をまたぐ会議では「開いといて」がすべてを丸く収める
  • Claude Code CLI ー ターミナル、ずっと怖いと思ってた

    Claude Code CLI ー ターミナル、ずっと怖いと思ってた

    始めるまでが全部

    「Claude Codeって何?」と聞かれたら、ブログ名で使っておきながら「……Cowork で使ってるやつです」とごまかしていた私に、向き合う日が来てしまいました。

    Claude Code には、CLI(コマンドラインインターフェース)版というものがあります。ターミナル(=黒い画面に文字を打ち込むやつ)から使うタイプです。Cowork はそのデスクトップアプリ版、CLI版はターミナルから直接動かすもの。どちらもClaude Code ですが、使い方がまったく違います。

    「ターミナル、怖い」——正直そう思っていました。でも実際やってみたら、インストール自体はコマンドを1行コピペするだけでした。拍子抜けするくらい。怖かったのは始める前の自分だけでした。(始める前の自分に言ってやりたい。本当に)


    結論マップ(ビフォー/アフター)

    改善前(Before)改善後(After)
    Claude Code CLI の存在は知っているが触っていないインストール済み、ターミナルで claude と打つと動く
    「ターミナル = エンジニア専用の世界」だと思っていたコマンド1行コピペでセットアップ完了
    Cowork と CLI の違いが曖昧役割の違いを理解した上で使い分けられる

    これが本体

    Claude Code CLI(クロード・コード・シーエルアイ)は、ターミナルから Claude に話しかけながらコードを書いたり、ファイルを操作したりできるツールです。

    CLI(コマンドラインインターフェース)とは、黒い画面に文字を打ち込んでコンピューターを操作する方法のことです。「コマンドプロンプト」「PowerShell」「ターミナル」が全部これ系。マウスをほとんど使わない世界です。エンジニアが格好よく使っているあれ、です。

    Cowork との違いをざっくり言うと、Cowork はデスクトップアプリ、Claude Code CLI はターミナルツール。Cowork は画面があってボタンもある、CLI はコマンドを打って動かす。どちらも Claude がいて助けてくれるのは同じですが、向いている使い方が違います。

    「じゃあ Cowork があれば CLI いらないじゃないか」と思いますよね。私も思いました。でも CLI版にしかできることもあって、たとえばほかのツールとの連携や、もっとエンジニアっぽいワークフローは CLI が得意です。あと、「使えた」というだけで少し自信がつく——これが意外と馬鹿にできません(重要)。


    実際にやった手順

    注記: ここで紹介するインストール方法は、記事作成時点(2026-04-23)のものです。Claude Code は更新頻度が高いので、将来的に手順やコマンド、対応プランなどが変わっている可能性があります。うまくいかないときは Claude Code セットアップ詳細(公式) の最新版も合わせて確認してください。

    まず確認しておくこと(超重要):
    Pro / Max / Team / Enterprise プランが必要(Claude.ai の無料プランは Claude Code が使えません)
    Windows の場合は Git for Windows が必要(後述します)

    1. Git for Windows をインストールする(Windows のみ)

    まず Git for Windows(公式) をダウンロードしてインストールします。「Git って何?」と聞かれると説明が長くなるのですが、Claude Code が内部で使う仕組みが入っているので必要です。コードのバージョン管理ソフト——と覚えておけば今は十分です。

    インストール中に設定画面がいくつか出ますが、基本的にデフォルト(そのまま Next)で進めて問題ありません。「全部読もう」とすると30分かかります。読まなくていい(読みませんでした。ごめんなさい)。

    2. ターミナルを開く

    Windows では「PowerShell」または「コマンドプロンプト(CMD)」を開きます。スタートメニューで「powershell」と検索すると出てきます。

    ここで大事なのが「自分が今どちらを使っているか」の確認です——これが最初の罠です。

    • PowerShell の画面: PS C:\Users\あなたの名前> という感じで PS がつく
    • CMD の画面: C:\Users\あなたの名前> という感じで PS がつかない

    どちらを使うかで次のコマンドが変わります。間違えると「コマンドが見つかりません」エラーが出て、「え何が違うの……」と5分悩む羽目になります(なりました)。

    3. インストールコマンドを実行する

    コマンドをコピーして画面に貼り付けて、Enter を押すだけです。「たったこれだけ?」と思うくらい短いです。

    現在(2026-04-23時点)のインストールコマンドは以下です。 公式の案内は更新されることがあるので、コマンドだけコピペする場合も時期によっては最新版を 公式セットアップページ で確認してください。

    PowerShell の場合:

    irm https://claude.ai/install.ps1 | iex
    

    CMD の場合:

    curl -fsSL https://claude.ai/install.cmd -o install.cmd && install.cmd && del install.cmd
    

    自動でダウンロードとインストールが始まります。完了するまで少し待ちます。「何も起こっていないのでは」と不安になる時間がありますが、動いています。信じて待つ。

    4. バージョンを確認する

    claude --version
    

    バージョン番号(例:2.1.89 みたいな数字)が出てきたら成功です。やった。画面に claude と入力しただけで Claude が動いた——小さいことですが、なんか感慨深かったです。

    command not found みたいなエラーが出た場合は後述のつまずきポイントを確認してください。

    5. ログインして使い始める

    claude
    

    初回はブラウザが開いてログイン画面が出ます。Claude アカウントでログインすると、ターミナルに戻ってきます。あとは話しかけるだけ——ここから先は Cowork と同じ感覚です。


    動いた設定をそのまま

    プロジェクトのフォルダに移動してから以下を打ってみてください。

    what does this project do?

    💡 ポイント: プロジェクトのフォルダ内でこのコマンドを打つと、Claude がフォルダ内のファイルを読んで「何するプロジェクトか」を説明してくれます。英語で打っても日本語で返ってきます(私の場合は)。「フォルダ内に何もない」場合は適当なテキストファイルを置いてから試してみてください。

    インストール直後に確認しておくと便利なコマンドはこのあたりです:

    claude --version     # バージョン確認
    claude doctor        # インストール状態を診断してくれる
    

    claude doctor は問題があれば「ここがおかしいですよ」と教えてくれる診断コマンドです。お医者さんに行くより気軽に診てもらえる。「なんか動かない気がする」というときに最初に試すといいです。


    ここで止まった


    • irm が認識されない」というエラーが出た: PowerShell だと思っていたら CMD を使っていました。プロンプトに PS がついているかどうかで確認できます。PS C:\...> なら PowerShell、C:\...> だけなら CMD です。使っている側のコマンドを選んでください(これで30分悩んだのは内緒です)。



    • 「Git for Windows を入れ忘れた」: インストールは完了したのに claude コマンドを打ったら動かないことがありました。Claude Code は内部で Git Bash を使うので、Git for Windows がないと動きません。Claude Code より先に Git を入れておくのが正しい順番です。



    • 「無料プランで試そうとした」: Claude.ai の無料プランでは Claude Code が使えません。Pro 以上のプランが必要です。「なぜ動かないのか」で30分悩んでから気づいたので、先に確認しておくことを強くおすすめします(30分返してください)。



    • 「インストール後にターミナルを再起動しなかった」: PATH(=コマンドの場所をOSが探すための設定)が更新されないため、古いターミナルのままだと claude が見つからないことがあります。インストール直後に動かなかったら、ターミナルをいったん閉じて開き直してみてください。



    で、結局どうなの

    インストール自体は「難しかった」というより「なんか怖かった」という話でした。コマンドを1行コピペして Enter を押すだけなので、手順自体に難しいところはない。ただターミナルを開くまでの心理的なハードルが異常に高かった——それだけです。

    コロンブスが大西洋を渡ろうとしたとき、「海の果てに奈落がある」と信じていた人が多かったそうですが——開けてみたら普通に大陸がありました。CLI もだいたい同じ構造です。開けてみたら普通でした(怖くなかった、とは言えないけど。あの緊張感はなんだったんだ)。

    Cowork で Claude を使ってきた人は、CLI版を試すと「あ、中身は同じだ」とわかると思います。画面の見た目は全然違うけど、話しかけている Claude は同じです。どちらが向いているかは作業スタイルや目的次第。まず使ってみる、が一番早い結論でした。

    ターミナルやエディタから Claude Code を使うことそのもののメリット——エディタ内で作業が完結する、普段のワークフローに自然に組み込める、複数ファイルを同時に扱える、など——もいろいろあるのですが、ここで書き始めると長くなるので別記事に譲ります。今回はインストールまで。使ってみての利点や Cowork との使い分けは別途解説する予定です。


    関連リンク

  • ECC(everything-claude-code)ー 3回タブを閉じてからやっと試した、16万スターのプラグイン

    ECC(everything-claude-code)ー 3回タブを閉じてからやっと試した、16万スターのプラグイン


    知らなかった話

    GitHubを見ていたら「これ何?」というリポジトリを見つけた。スター数が16万超。「なんか人気のやつ」という感想しか出てこなかったので、そのままブラウザのタブを閉じた。3回。3回も閉じた。

    今日ちゃんと調べて入れてみた。「え、これ最初から入れておくべきものだったじゃないですか……」という気持ちになった。人の成長とは、大体こういう後悔のくり返しで構成されています(私だけかもしれませんが)。


    結論マップ(ビフォー/アフター)

    現状(Before)改善後(After)
    Claude Codeのデフォルト状態で使っている48エージェント+183スキルが追加される
    毎回同じ指示を一から書いている専門エージェントが役割を引き受けてくれる
    Claude Codeをただのチャットとして使っている本格的なエージェントハーネスとして使えるようになる

    これが本体

    ECC(everything-claude-code)は、Claude Code に「エージェントの軍団」と「専門スキル集」を一括でインストールするプラグインです。48エージェント・183スキル・79コマンドがセットで入る、というやつです。「なんとなく全部入り」という理解で合ってます。もう少しちゃんと理解したい方向けに以下説明しますが、「全部入り」で十分です(そう割り切るのに30分かかりました)。

    「エージェントハーネス」(= 複数のAIエージェントをまとめて管理・運用するフレームワーク、のこと)というとすごく難しそうですが、要するに「仕事の種類ごとに担当者を事前に用意しておく」仕組みです。コードレビュー係、セキュリティ確認係、調査係——全員がスタンバイしていて、呼んだら来てくれます。「それ普通に便利では……?」と思いました。気づくのが遅い(二回目)。

    Windows・Mac・Linux すべてで動作します。Node.js ベースで全フックが実装されているので OS 依存がありません。2026年4月時点で GitHub スター16万超。Claude Code・Cursor・OpenCode など複数の環境に対応済みです。「どの環境でも動く」は地味に大事で、「環境が違うと動かない」の絶望感は一度経験すれば十分です——共感してくれる人、いますよね?


    Coworkユーザーはどうなの?

    ここ、私が一番気にしたところです。ECCの公式READMEに「対応環境」として列挙されているのは Claude Code・Cursor・Codex・OpenCodeで、Coworkの名前はありません。「え、私の環境、対象外?」と5秒固まりました。


    5分でできること

    プラグインマーケットプレイス経由が一番シンプルでした。「一番シンプル」と書いているときはたいていほかの方法で一回詰まっています。今回も例にもれずそうでした。

    1. Node.js がインストールされていることを確認する(まだの場合は nodejs.org から。「ついでにNode.jsの勉強も」は後回しにしていいです)
    2. Claude Code(またはCowork)を起動する
    3. マーケットプレイスにリポジトリを追加するコマンドを実行する
    4. プラグインをインストールするコマンドを実行する
    5. 対話式ウィザードの指示に従って、必要なコンポーネントを選択する(公式は「必要なものだけ選ぶ」ことを推奨しています。私は「どうせなら全部」を選んで現在に至ります)

    Node.js の確認だけは先にしておいてください。これを後回しにすると「なぜか動かない」から始まる探索タイムが発動します。私の場合は40分でした。返してほしい。


    私が使ったコマンド

    # ステップ1: マーケットプレイスにリポジトリを追加する
    /plugin marketplace add affaan-m/everything-claude-code
    # ステップ2: プラグインをインストールする
    /plugin install everything-claude-code
    

    コマンドを打つだけで対話式ウィザードが起動して、必要なコンポーネントを選びながらセットアップを進めていく形式です。ソクラテスが2400年前にやっていた問答法と構造はほぼ同じで、ただしソクラテスと違って答えを間違えても怒られません——そこは安心していいです。

    公式は「必要なものだけ選ぶ」ことを明言しています。「全部」を選ぶと大量のインストールが始まって「本当にこんなに要る……?」と不安になります。不安は正しい。私はそれを知らずに全部選んで今に至ります(知識は必ず事後にやってくる)。

    💡 ポイント: rules/ フォルダは「フォルダごと」コピーするのが正解です。中のファイルだけを取り出すとファイル間の相対パスが壊れます。「なぜかルールが効かない」で30分溶けます——これは経験談です。


    何を選べばいいのか問題

    ウィザードに「何が欲しいですか?」と聞かれるわけですが、「欲しいものを選ぶ」という作業が一番難しいのが初心者です(私のことです)。参考までに仕分けをしておきます。

    必ず入れておくべきもの

    rules/common(言語を問わず全員に効く共通ルール)と、hooks(コード検証などを自動で走らせる仕組み)と、agents(コードレビュー・調査・計画立案などのエージェント群)です。「これがないとECCを入れた意味がない」セットです。

    興味があれば覗いてみるもの

    言語別ルール(rules/golangrules/typescriptrules/python など)です。自分が使う言語のものだけ入れればOK。

    「ぜんぶ入れとけば何かの役に立つだろう」という私の作戦は、ここに対して特に効果が薄かったです——JavaもRustも書かないので(書けない)。

    初心者はどうすればいい?

    公式は「必要なものだけ選ぶ」ことを推奨しています。選ぶ基準がわからないうちは正しい判断です。ただし、「何が欲しいかわからない」は「何も要らない」とは違います。

    私のように「とりあえず全部」という選択肢も実害はそれほどなく、「余計なものが入っているかもしれない」という軽い罪悪感だけが残ります(現在進行形)。

    後から外す方法

    ecc uninstall コマンドでアンインストールできます。コンポーネントを選び直したい場合は Claude Code 上で /configure-ecc を実行するか、不要なファイルを .agents/ フォルダから手動で削除するのがシンプルです。

    「後から外せる」とわかっていれば、最初の選択でそこまで悩まなくていいですよという話でもあります。


    やらかしたこと


    • hooks の二重登録: ECCは hooks/hooks.json に独自フックを置く構成になっています。なのに settings.json に手動で同じ hooks を追加すると、同じ処理が2回走ります。「自動でやってくれる機能を知らないまま手動でもやる」——これ、コンビニのセルフレジで店員さんのスキャンと自分のスキャンが被るやつと同じ構造だと思います(違う)。



    • rules はフォルダごとコピー: rules/commonrules/golang などは、中のファイルだけ取り出してはいけません。フォルダごと移動が必要です。理由は相対参照(=ファイルの場所を「今いる場所から数えた距離」で指定する方法)。「なんとなくわかった」と思ったら全然わかっていなかった、という現象が起きやすい概念ベスト5に入ります——同じ人いますよね? いますよね??



    • npm パッケージ名が違う: npm でインストールする場合のパッケージ名は ecc-universal です。プラグイン名の everything-claude-code ではありません。「同じものなのに名前が違う」ことに対して人類はずっと慣れられないと思います。私の場合は「npm の everything-claude-code が見つからない」で5分固まりました(経験値は積まれています)。



    使ってみての正直な感想

    ECCを入れてから、Claude Code が「全部ひとりでやってた人」から「チームを持ってる人」になった気がしています。コードレビューのたびに「レビューしてください、以下のコードで……」と毎回書かなくていいのは、思っていた以上に精神的に楽でした。ちりも積もれば山となる——そして山は返ってきません。

    「16万スターのリポジトリを3回タブで閉じた人間」からのアドバイスとしては、とりあえず入れてみてください。Node.js の確認さえ済ませれば、あとはコマンド2本で終わります。同じ3回を繰り返さなくていいのに繰り返したのは私だけで十分です——あなたには今日で終わらせてほしい。


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