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  • /resume ー 「昨日の続き、もう一度ここから」と打てる魔法

    /resume ー 「昨日の続き、もう一度ここから」と打てる魔法

    知らなかった話

    /clear を覚えてから1週間、私は毎朝「昨日の続き、もう一回ぜんぶ説明し直してます」をやっていた。プロジェクト名、ファイル構成、何をどこまで進めたか。Claude は素直に聞いてくれるけれど、私は3日目には「同じ口上、3回目です」と心の中で謝っていた。歌舞伎の口上ならいいけれど、こちらは技術相談である。

    そんな私の前に /resume というコマンドがいた。「昨日のあれ、続きから」が、たった6文字で済む世界。先に言っておくと、知った瞬間、過去の自分の3日分の口上を返してほしくなった。


    結論マップ(ビフォー/アフター)

    場面これまで/resume
    翌日の作業プロジェクト概要から再説明セッション選んで Enter
    Claude の記憶毎朝リセット前日の続きから接続
    必要な情報自分の記憶力に頼るセッションIDかタイトル

    3行で済む。これを最初に貼ってほしかった、というセリフを、私は今月だけで何回言っただろうか。


    要するに何ができるか

    /resume は Claude Code(Anthropic がターミナル向けに出している AI コーディングツール)に標準搭載されている 過去のセッションを呼び戻すコマンド だ。打つと、過去のセッション一覧(インタラクティブセッションピッカー)が画面に出てきて、上下キーで選んで Enter を押せば、選んだセッションが「続き」として目の前に戻ってくる。

    近い名前のコマンドに --continue(または -c)があるけれど、これは「直近のセッションを問答無用で続きから開く」ショートカットだ。一方 /resume は どのセッションから再開するかを選ばせてくれる 親切設計。前者が「とりあえず昨日の」、後者が「リストから今日の気分のやつを」、と例えると伝わるだろうか。Netflix で「続きを観る」のサムネイル一覧、と説明するのが一番近い気がする。


    とりあえずやってみる

    1. ターミナルで claude を起動し、/resume と打って Enter
    2. インタラクティブピッカーが起動して、現在のフォルダ内のセッションが一覧表示される(新しい順)
    3. 上下キーでセッションを選ぶ。タイトル・最終更新時刻・メッセージ数がプレビュー表示されるので、目当てのものを探す
    4. Enter で確定すると、選んだセッションが続きから読み込まれる
    5. そのまま「昨日の続きで、〇〇を直したい」と打てば、Claude は前日の文脈を踏まえて返してくる(「今日は何を?」とは聞かれない)

    私が使ったコマンド

    架空の旅行アプリ「jp-vacation-planner」を Claude と一緒に設計していた、という設定で読んでほしい(実在しません。私は今のところ、近所の銭湯にしか出かけていません)。

    > /resume
    Resumable sessions in /home/celcy/jp-vacation-planner:
    ▸ 2026-04-29 18:22 jp-vacation-planner 初期設計
    Last: "次は予算入力フォームのバリデーションを追加する"
    Messages: 47
    2026-04-28 21:05 jp-vacation-planner プロジェクト立ち上げ
    Last: "OK、まずはルート構成から決めましょう"
    Messages: 12
    [Enter] resume [↑↓] navigate [/] search [esc] cancel
    > (Enter で1番目を選択)
    Resuming session sess_8c4b... (2026-04-29 18:22)
    Loaded summary: jp-vacation-planner の初期設計セッション。47メッセージ。
    > 続きです。予算入力フォームのバリデーションから始めましょう。

    💡 ポイント: セッションが大きすぎて全部読み直すと使用量を圧迫しそうな場合、Claude は「全文を読み直す代わりに要約から再開しますか?」と提案してくれる。長文ファイルを毎朝全部音読するわけじゃない、ありがたい配慮である。なお、/resume 検索ボックスに GitHub・GitLab などのプルリクエストURLを貼ると、そのPRを生成したセッションを探してくれる機能も2026年4月のアップデートで入った(これは便利すぎて、私は3回見直した)。

    検索したいときは / を押すとフィルタが出るので、プロジェクト名や作業内容のキーワードで絞り込める。


    最初で詰まった3つ

    • 「-c で十分じゃない?」と思ってスルーしていた: claude --continue(-c)は直近1件しか開かない。複数プロジェクトを同時並行している人は、3日前のあのセッションを呼び戻したいシーンが必ず出てくる。私はメモアプリと旅行アプリと家計簿を並行して相談していたので、毎朝「どれが直近だっけ」と賭けに出ていた。/resume は賭けを終わらせてくれた
    • セッション内の「許可」だけ復元されない: 会話履歴は全部戻ってくるけれど、セッション中に与えた一時的なツール実行許可(bash 実行を1回だけ許可など)は復元されない。再開後に同じ操作を頼むと「もう一度許可してください」と聞き直される。お辞儀は丁寧で気持ちがよい。びっくりしないこと
    • タブ補完で勝手に再開していた事故(修正済み): 2026年4月のアップデート前、/resume をタブ補完するとピッカーが出ずに任意のセッションがいきなり開いてしまう不具合があった。今は修正されているけれど、「あれ、何を選んだっけ」と感じたら、esc で抜けてもう一度 /resume を打ち直せば安全

    で、結局どうなの

    /resume は 昨日の自分にバトンを渡すコマンド だ。/clear がリセットボタン、/compact が要約しながら続ける道具なら、/resume は「タイムマシンの行き先を選ぶ」コマンドである。

    これを覚えてから、私は朝の口上を完全にやめた。Claude も「初めまして」を3回繰り返さされる日々から解放された(と勝手に思っている)。技術相談は続きものでよい、という当たり前のことに、私は1週間かけて気づいた。同じことに気づきかけている人がいたら、「6文字で済むよ」と先に言っておきたい。


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  • auto-memory ー 私の口癖、勝手に覚えていてくれた

    auto-memory ー 私の口癖、勝手に覚えていてくれた


    気づいたら使ってた

    同じ説明を3回した。「Windows 使ってます」「PowerShell で動かしたいです」「日本語でお願いします」。テンプレ自己紹介、もはや営業の名刺交換みたいでした。4回目の朝、私がまだ何も言ってないのに、Claude が PowerShell コマンドを並べて出してきた。何これ、誰が教えた。下手な探偵より私のことを知っている。トースターが昨日のこんがり度を覚えていたような、ちょっと嬉しいけれど不気味さもある朝でした。


    結論マップ(ビフォー/アフター)

    並べてみると、昨日までの自分がちょっと気の毒です。

    項目auto-memory なし(私の昨日まで)auto-memory あり(私の今)
    自分のプロフィール会話の冒頭で毎回口頭で説明1回言えば次回から覚えている
    プロジェクトのクセ毎回 CLAUDE.md に追記Claude が適宜 markdown に保存
    「前にこう言ったよね」履歴を遡って自分で探すClaude が勝手に持ち出してくる

    要するに何ができるか

    auto-memory(オートメモリー)は、Claude がセッションをまたいで「あなたとの会話で得た学び」を自分で markdown ファイルに書き残してくれる機能です。専門用語に翻訳すると「セッション間でユーザー固有情報を永続化する仕組み」、人間の言葉に翻訳すると「私の口癖と好みを Claude が勝手にメモる」。後者のほうが10倍わかりやすい、と書きながら思いました。Claude Code v2.1.59 以降は最初から ON で、プロジェクトごとに ~/.claude/projects/<project>/memory/ 以下に保存されます。中身はぜんぶ markdown なので、私が直接読めるし、編集も削除もできる。「AIに記憶される」と聞いたとき頭に浮かんだ、何かこう、暗号化された謎ファイルみたいなものは一切なし。拍子抜けするくらい開けっぴろげです。

    💡 「全部 markdown」というのが地味に効く。AI が裏でこっそり何か覚えているのではなく、フォルダを開けば全部見えるところに置いてある。怖さの正体は「見えないこと」だったんだなと、覗いてみて気づきました。


    とりあえずやってみる

    1. ターミナルで claude --version を実行し、バージョンが v2.1.59 以上 か確認する(古ければ npm install -g @anthropic-ai/claude-code で更新。私はここで更新を3日先延ばしにした人間です)
    2. Claude のセッション内で /memory と打つ
    3. 表示されるメニューで「Auto memory」が ON になっていることを確認する(デフォルト ON。ここでオフにしたら振り出しに戻ります。人生ゲームみたいですね)
    4. あとは普通に会話する。私の好み・作業習慣・つまずきパターンを Claude が「これは次回も役立ちそう」と判断したときだけ自動で保存する。判断は Claude 任せです。「これも覚えて!」と叫んでも基本スルー(経験談)
    5. 数日経ったらもう一度 /memory を開いて、Auto memory フォルダの中身を覗く。ここで自分の口癖と再会します

    こう書いたら動いた

    ある朝、何気なく ~/.claude/projects/my-recipe-app/memory/ を覗いたら、こんなファイルが転がっていました。私は頼んでいない。Claude が勝手に書いていた。プライバシーの侵害だと思ったけど、内容を見たら正論しか書かれていなかったので何も言えなくなりました。

    ---
    name: User PowerShell preference
    description: ユーザーは Windows + PowerShell ユーザー
    type: feedback
    ---
    ユーザーは PowerShell をメインシェルとして使用している。
    bash や zsh の構文を提示するたびに「PowerShell で書き直して」と依頼されるため、
    ターミナルコマンドは最初から PowerShell 構文で提示すること。
    例:
    - NG: `ls -la`
    - OK: `Get-ChildItem -Force`

    💡 私の3回分の小言が、フィードバック型のメモにきれいにまとまっていた。鳥肌が立ったというより、上司にこっそり手帳を覗かれた気分でした。でもこの上司、メモを取っておいてくれるおかげで明日の私の朝食の手間が減る。許す。


    私が間違えたこと

    • 「これ覚えて」と言えば全部覚える、ではない: Claude が「次回も使えそう」と判断したものだけが保存されます。完璧な秘書ではなく、ややマイペースなメモ魔の同僚に近い。覚えてほしいなら明示的に「これメモしておいて」と頼むほうが確実です。私は「絶対忘れないで!」と3回叫んで、3回ともスルーされました
    • 記憶は勝手に消えない: markdown ファイルはユーザーが消すまで残ります。半年前の古い情報を Claude が信じて間違ったコマンドを出してくることもあるので、月に1回はフォルダを覗いて掃除する。冷蔵庫の奥のタッパーと同じです
    • CLAUDE.md と auto-memory を混同しない: CLAUDE.md は私が手で書く「ルール」、auto-memory は Claude が自動で書く「学び」。書き換える場所を間違えると、せっかくのメモを上書きしてしまう。役割分担、ここ大事です(試験に出ます)

    使ってみての正直な感想

    同じ説明を3回繰り返している自分に気づいたら、auto-memory が動いているか覗いてみる価値があります。私はもう「Windows です、PowerShell です、日本語で」のテンプレ自己紹介を毎朝しなくて済むようになりました。ボルヘスの「フネス」みたいに何でも覚えていたら逆に動けなくなりそうですが、Claude の auto-memory は「忘れる」ほうも上手です——本当に必要なものだけ拾ってくれる。怖いと思っていた「AIに記憶される」も、フォルダを開けば全部 markdown で見えるとわかった瞬間、急に気が楽になりました。秘密にされるより、見えるところに置いてくれるほうがずっと信用できる。下手な探偵に追われる気分から、有能な秘書を雇った気分に、3週間で進化した話でした。


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  • Chat / Cowork / Code、それぞれ「新しく作る」タイミング ー 1つに全部詰めて、Claude を混乱させてた

    Chat / Cowork / Code、それぞれ「新しく作る」タイミング ー 1つに全部詰めて、Claude を混乱させてた

    「同じセッションで全部やったら、Claude が話題を見失った」

    ある日、ひとつの Cowork セッションで「英文メールの和訳 → Excel の整理 → 架空のスクリプトの修正」と立て続けに頼んでみた。詰め込みすぎたお弁当箱みたいなセッションです。
    3つ目に入ったあたりで、Claude が「先ほどのメールの件についてですが…」と、もう関係ない最初の話題を引っぱり出してきた。「先ほどの……って何ですか(こちらは Excel の話をしている)」。

    最初は「Claude が壊れたのかな」と思った。違いました。Claude は壊れてなくて、私が1つの場所に荷物を詰めすぎただけだった。要するに、引っ越し前日の段ボール状態です。何が入っているか、自分でも把握できていない。

    Cowork のサイドバーには「Chat」「Cowork(New task / セッション)」「Code」という3つの入口があり、それぞれ何を覚えているか(コンテキスト)が違う。新しい話を始めるたびに「これは続きにすべきか、新しく作るべきか」を判断するクセを付けてから、誤動作がぐっと減った。「クセを付けた」と書きましたが、実態は「やらかした回数だけ学んだ」です。


    なぜ「新しく作る」を意識するのか

    Claude は会話を続けるほど、その会話の中身を覚えていく。便利なんだけど、過去の話題が混ざると判断がブレる。便利の裏には、たいていトレードオフがいる。
    たとえば「Excel ファイル A」を読み込ませた直後に「画像を生成して」と頼むと、Claude は「Excel に貼る用の画像かな?」と勝手に推測してしまうことがある。気を利かせてくれているんですが、こっちは普通に SNS のアイコンを作りたかっただけです。私はこれを「コンテキストの引きずり」と呼んでいる(命名するほどには遭遇している)。

    加えて、長い会話はトークン(Claude が一度に扱える文章量の単位)を食う。動作も重くなるし、料金もかさむ。お腹いっぱいの Claude は、判断もちょっと鈍る——そんな気がしている。話題が変わったら新規にする、というのは「自分のためでもあり、Claude のためでもある」操作になっている。たぶん Claude も、毎回まっさらな机で仕事を始めたいはず。


    3種類 × 新規作成すべきタイミング

    ここで一旦整理。「だから何を、いつ新しくすればいいの?」という話を表にしました。

    種類主な使い道コンテキストの中身新しく作るべきタイミング
    Chat質問・即答・短文生成そのチャット内の会話履歴(必要に応じてチャット検索やメモリも参照される)。ファイル操作や MCP 連携は行わない話題が変わったら、迷わず新規。コストが軽いので「1質問1チャット」でも問題ない
    Cowork セッションファイル操作・MCP 連携・複数ステップ作業読んだファイル・実行したツール・出した結論対象プロジェクトやフォルダが変わるとき。失敗から始め直したいとき。長くなりすぎたとき
    Code セッションリポジトリ(=コードを置いてあるプロジェクトのフォルダ)単位のコーディングCLAUDE.md・git の状態・開いているリポジトリリポジトリを切り替えるとき。ブランチ運用で文脈が大きく変わるとき

    💡 補足: Cowork セッションは作業を後で続けられる設計。同じテーマの追加作業なら新規にせず、続きから頼む方が記憶を再利用できて速い。「昨日の私の続き」を今日の Claude が拾ってくれる感じで、地味にうれしい。
    一方で別テーマを始めるときは、続きにせず新規にした方が安全。引き継がせると、たまに昨日の経費の話が顔を出してくる。


    判断フロー(私の3問チェック)

    迷ったら、上から順にチェックする。本当はもっと迷うべきなんですが、3問にしないと自分が動けないので3問にしました。


    1. 「直前の会話と同じテーマ?」
      YES → 続行。NO → 新規。
      翻訳の続きで翻訳を頼むなら続行、Excel の話を始めるなら新規。境目はけっこうハッキリしているので、迷ったら2問目へ。



    2. 「Claude が前提にしているファイル状態は、まだそのまま?」
      YES → 続行。NO → 新規。
      Excel の構造を大きく変えた、フォルダの中身を入れ替えた、などの後は新規にする。「さっきのファイル覚えてる?」と聞いた時点で、もう新規が正解だったりする。



    3. 「セッションが長くなりすぎて、自分でも何が話されたか追えない?」
      YES → 新規 or /compact で要約。NO → 続行。
      /compact は履歴を圧縮するスラッシュコマンド。完全リセットせずに重さだけ落とせる。要するに会話のダイエット機能です(例えが合っているかは別として)。



    同じ作業、続けるか・新規か

    例:朝、Excel に経費を整理してもらった。午後、別の作業として「ブログ記事の下書きを書いてほしい」と頼みたい。完全に午前と午後で別人格になりたい日です。

    そのまま続けるとどうなるか:

    午前のセッションで…
    私: Documents/領収書/202603/ の JPG を OCR して
    expenses.xlsx に追記して。
    Claude: 12枚処理しました。3枚は要確認です。
    午後、同じセッションで…
    私: ブログ記事の下書きを書いて。テーマはコンテキスト管理。
    Claude: かしこまりました。経費レポートを踏まえつつ、
    コンテキスト管理についての記事を…
    (← 関係ない経費を引っぱってきた)

    経費の話題が引きずられて、関係ない場所に出てくる。記事に「3枚は要確認です」とか出てきても困る。

    新規にすると:

    午後、新しいセッションで…
    私: ブログ記事の下書きを書いて。テーマはコンテキスト管理。
    Claude: 何文字くらいで考えていますか?想定読者は?
    (← まっさらな状態でヒアリングが始まる)

    「初対面の Claude さん、こんにちは」状態。これがいちばん仕事が早い。
    判断のクセが付くまでは「Claude が変な前提で答えてきた瞬間に、新規にし直す」を続けると、リズムをつかみやすい。最初は新規にし直しすぎて、逆に毎回ゼロから説明する事故も起きました。バランスです、何事も。


    つまずき

    ここからは、私が実際にやらかした話です。先輩の失敗談を聞くつもりで読んでください(先輩というには日が浅いですが)。

    • Code セッションで雑談を始めてしまう: Code セッションはリポジトリのコードを前提に話を聞く設計なので、関係ない雑談を続けると「このコードを直そうとしてる?」と勝手に解釈し始めることがある。雑談は Chat 側に逃がすのが安全です。Code セッションでお昼ごはんの相談をしてはいけない(やった)。
    • Cowork セッションを使い捨てにしてしまう: 1つで完結するつもりで始めたのに、後から続きが出てきて「あのセッション、どこだっけ」になりがち。これはまさにシュレーディンガーのセッション——開いてみるまで、どれが目当てのやつかわからない。終わったセッションは名前の頭に【完了】を付けておくと、続きを開きたいときに区別しやすい。
    • 「重いから新規」と「履歴がほしいから続行」が両立しないとき: 答えは /compact。会話を要約して短くしつつ、流れは保てる。完全に切るほどではない、というときの中間オプションとして覚えておくと便利。「離婚するほどじゃないけど、ちょっと距離を置きたい」みたいなときに使ってください(例えが重い)。

    まとめ

    私が新しく作るときの判断は、結局この3問。

    • 直前と同じテーマ? → 続行(違うなら新規)
    • Claude が前提にしてるファイル状態は今もそのまま? → 続行(変わったなら新規)
    • 重くなりすぎ? → /compact で軽量化、それでもダメなら新規

    Chat は気軽に新規、Cowork セッションは「テーマ単位」で新規、Code セッションは「リポジトリ単位」で新規。
    コンテキストは、引き継ぐと便利な資産にも、引きずると重荷にもなる。場所を変えてリセットするのは、Claude を混乱させないためというより、自分が混乱しないため、という気がしている。冒頭の段ボール状態に戻ると、結局困るのは荷物を詰めた本人なんですよね。


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  • /compact ー リセット癖、ようやく卒業した

    /compact ー リセット癖、ようやく卒業した

    先に言っておく

    会話が長くなって Claude の返事がもったりしてくると、私はそっとウィンドウを閉じて新しいセッションを開いていた。さっきまでお願いしていた前提も、書きかけのファイル名も、全部やり直し。儀式みたいに毎回やっていたけど、これ、本当は要らない手順だった。

    /compact という1コマンドを打つだけで、会話の中身は要約されてコンパクトになり、続きから話を進められる。知ったときの最初の感想は「私の毎晩の引っ越し作業はなんだったのか」だった。


    ざっくり言うと

    /compact は Claude Code(Anthropic がターミナル向けに出している AI コーディングツール)に最初から入っている 会話圧縮コマンド だ。会話のはじまりから現在までを Claude 自身が要約して、重要な決定・ファイルパス・残っているTODOだけを残し、不要な部分をごっそり捨ててくれる。

    ここで出てくる「コンテキストウィンドウ」とは、Claude が一度に覚えていられる文字量の上限のこと。これを超えると応答が遅くなったり、肝心の指示が押し出されて忘れられたりする。/compact は、その上限が近づいてきたときの 会話の片づけスイッチ だと思っていい。

    どちらかというと、メアリー・ポピンズのカバンの逆ベクトルだ。広げすぎた荷物を要点だけスーツケースに詰め直して、次の宿に持っていく方の発想に近い。


    5分でできること

    1. Claude Code でしばらく会話を続けて、画面下部に「Context: 78%」のような表示が見えてきたら準備OK
    2. プロンプト入力欄に /compact と打って Enter(タイプミスして /compcat にしないように。私はやった)
    3. 数秒で「これまでの会話の要約」が画面に表示される
    4. そのままいつも通り次の指示を打つ。Claude は要約と最新指示だけを覚えた状態で続きを話してくれる
    5. 残したい話題があれば /compact 認証まわりの実装方針を重点的に残して のように引数を添える

    ポイントは、70〜80% を超えたあたりで自分から打つ こと。空き容量が逼迫してから自動圧縮に任せると、要約のクオリティが落ちて、肝心の前提が削られることがある。先手を打つ自分のほうが、慌てている自分より仕事ができるという話だ。冷蔵庫が満杯になってから整理する人と、隙間があるうちに整理する人の差、と言ってもいい。


    コピペして使える例

    架空の旅行計画アプリを Claude と一緒に作っていた、という想定で考えてほしい(実在しません。私の現実の旅行計画はだいたい当日に駅で決まる)。会話が長くなってきたので、私は途中でこう打った。

    >> /compact 行き先別の見積もりロジックと、API キーの管理方針は必ず残してください。
    UI のデザイン議論は捨てて構いません。
    (数秒後)
    ✓ Conversation compacted.
    Kept: 旅行計画アプリの仕様 / 見積もり関数 calcTripCost() の引数 /
    環境変数 TRAVEL_API_KEY を .env で管理する方針 / 残TODO 3件
    Dropped: ボタン配色の議論 / フォント比較 / 没になったランディングデザイン
    >
    > 続きで、見積もりロジックに「祝日割増」を追加したい

    💡 ポイント: 引数で「残してほしい話題」を指定するのが効く。引数なしでも動くが、Claude の要約は「全体的に万遍なく」になりがちで、自分が本当に守りたい1点が薄まることがある。/compact は 取捨選択を Claude に丸投げするコマンドではなく、自分の優先順位を伝えるコマンド だと思うとうまくいく。


    私が間違えたこと

    • /clear と混同していた: /clear は会話を 完全に消す コマンドで、要約すら残らない。/compact は要約を残して続きを話せる。最初の頃、軽い気持ちで /clear を打って「あ、全部消えた」となったのは私です。Web フォームの「送信」と「リセット」を間違えるあの感覚に近い。
    • コードまでは戻らない: /compact が圧縮するのは「会話履歴」だけ。すでに編集されたファイルは元に戻らない。「軽くするついでにファイルも巻き戻る」と勘違いしていたけど、ファイルを戻すのは前回の記事で書いた /rewind(チェックポイント)の仕事。担当が違う。
    • 満タンになる前に打たないと意味が薄い: 99% まで膨らんでから打つと、要約のための処理自体に苦戦する。私は 70〜80% を目安にすると決めた。RPG で「セーブはボス手前」ではなく「町に着いたら毎回」が結局いちばん安心、というのと同じ話だ。

    覚えておくこと

    /compact は、長くなった会話を要約しながら続きを話せるコマンド。70〜80% で自分から打つ・引数で残したい話題を指定する・/clear と混同しない、この3つを覚えておけば十分使える。

    3ヶ月のあいだ、私は会話が重くなるたびにウィンドウを閉じてコーヒーを淹れ直していた。あの儀式に費やしたカフェイン量を返してくれとは言わない。けれど、/compact を1日早く知っていたら、昨日の私はもう少し早く寝られたはずだ。


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  • コンテキストウィンドウ ー Claudeの「同時に覚えていられる量」、知らずに使ってた

    コンテキストウィンドウ ー Claudeの「同時に覚えていられる量」、知らずに使ってた

    「会話、なんで急に重くなるの?」の正体

    Claude と長く話していると、ある日突然「あれ、Claude のレスが遅い」「さっき貼ったコードの話、忘れてない?」と感じる瞬間が来る。私の場合は、家計簿アプリの相談を1時間続けたあと、急に Claude が「先ほどの企画書とは?」と聞き返してきて凍った。

    私はずっと「Claude が眠いのかな」くらいに思っていた。違った。コンテキストウィンドウという、ちゃんと名前のついた天井があった。中世の貴族が「うちの家紋にはちゃんと意味があるのよ」と言うのと同じくらい、ちゃんと名前のついた話だった。

    💡 「メモリ機能」とは別物。コンテキストウィンドウは「今のこの会話で、いっぺんに見渡せる量」の話。


    結論マップ(ビフォー/アフター)

    場面知る前の私知った後の私
    会話が重くなったとき「Claudeが疲れた」と思ってリロード「窓が満員」と気づいて /compact
    モデル選びなんとなく Sonnet長文を渡す日は 1M 対応のモデル
    長いPDFを貼るとき全部コピペして Enter何トークン乗るか想像してから渡す

    「Claudeの脳みそ」じゃなくて「Claudeの机の広さ」だと思うと、わりと一発で腑に落ちる。


    コンテキストウィンドウって、要は何

    公式ドキュメント(Claude API Docs の “Context windows”)の説明を私の言葉に砕くと、こうなる。

    コンテキストウィンドウ:1回のやり取りで Claude が同時に見ていられる文章量の上限。単位は「トークン」。

    トークン、というのが最初の壁だった。「文字数とほぼイコール、でも完全には一致しない単位」だと思っておけば日常使いには十分。英語だと「1トークン ≒ 0.75単語」(Anthropic 公式の言い回し)、日本語だとひらがなや漢字 1〜2文字くらいで 1トークンになる、というぼんやりした感覚で困ったことはない。

    💡 ポイントは「メモリ機能」との切り分け。Claude には会話を超えて覚えておく メモリ や、プロジェクト内で永続する CLAUDE.md がある。コンテキストウィンドウは、そのうち「今このターンで、Claudeの目の前に並んでいる紙の枚数」のほうを指す。

    机の広さの話なので、新しい会話を始めれば、当然リセットされる。連休明けの机が綺麗に戻っているのと同じ理屈で、これに毎回ちょっと安心している。


    モデルごとの容量(2026-04-29 時点)

    ここが今回いちばん調べる甲斐があった。直近の公式情報(Anthropic 公式ブログ・Claude API Docs・サポート記事)を並べる:

    モデル標準のコンテキストウィンドウ1Mトークン対応
    Claude Opus 4.7200K トークン対応(GA)
    Claude Opus 4.6200K トークン対応(GA)
    Claude Sonnet 4.6200K トークン対応(GA)
    Claude Sonnet 4.5 / Sonnet 4200K トークンベータあり、2026-04-30 で終了
    Claude Haiku 4.5200K トークン非対応(標準のみ)

    ポイントは2つ。

    1. 「標準は 200K」が共通の床。雑に「Claudeのウィンドウ=200Kくらい」と覚えておけば、9割の会話には足りる。Anthropic 公式のヘルプセンターにも「200K トークンは英語でだいたい 500ページ分のテキスト」と書かれていて、500ページの本を一気に渡せる机だと思うと結構広い。
    2. 1M(100万トークン)に伸ばせるモデルがある。長いコードベース・大きな PDF を一発で読ませたい日に効く。ただし Sonnet 4.5 / Sonnet 4 のベータ枠は 2026-04-30 で店じまい。明日。引っ越し蕎麦が間に合うか怪しいタイミングなので、長文常連の人は 4.6 系へ移すのが穏当。

    💡 「200K で 500 ページ」の感覚は、文学全集の片手で持てるほうの巻 1冊ぶん、と覚えると忘れない。私が文学全集を所有しているかは、また別の話。


    実感する:トークンを数えてみる小ネタ

    たとえば架空の家計簿プロジェクトで、レシート画像のテキスト起こしと、3ヶ月分の取引明細CSV と、自分が書いた要件メモをまとめて渡したい、とする。Anthropic が公開しているトークン計測 API(anthropic.messages.count_tokens、Pythonクライアントの場合)は、こんな感じで呼べる:

    from anthropic import Anthropic
    client = Anthropic()
    response = client.messages.count_tokens(
    model="claude-opus-4-7",
    messages=[{
    "role": "user",
    "content": "(ここに渡す予定の長文テキストをまとめて入れる)"
    }],
    )
    print(f"このメッセージは {response.input_tokens} トークン使います")

    💡 上のコードは API を直接叩く人向け。私みたいに Cowork で雑談しているだけのユーザーは、「あれ、長くなったな」と思ったタイミングで /compact で十分。料金メーターが見えるレストランがあったら見てしまうけれど、伝票が来てから払うのでもだいたい間に合う、というのに近い。


    ここで止まりそうなポイント

    • 「広い=必ず賢い」ではない:コンテキストが広くても、奥に置いた情報ほど Claude が見落としやすくなる現象(NVIDIA の RULER ベンチマークなどで指摘されている “lost in the middle”)はある。Claude は他社モデルより劣化が緩やかとはいえ、原理的にゼロではない。要は、机が広くても端っこの紙は見落とすことがある。重要な指示は会話の冒頭か直前に置く、が安全
    • メモリ機能と混同しない:「Claude が私のことを覚えてる」のはメモリや CLAUDE.md の話で、これらは別予算。コンテキストウィンドウは「今このターンの机の広さ」だけを指す。机を片付けても、引き出し(メモリ)にしまった付箋は残る
    • コードを丸ごと貼ると一気に減る:私は最初、500行のPythonファイルを4つ貼って「Claudeが急に物忘れした」と慌てた。長いコードはトークンを食う(コメントもインデントも全部数えられる)。該当箇所だけ貼るを徹底するだけで、机がだいぶ広く保てる
    • /compact は「圧縮」、/clear は「全消し」:以前の記事で書いたが、長くなった会話を畳むなら /compact(要約して机を片付ける)、思いきってリセットするなら /clear。コンテキストウィンドウの観点ではどちらも机を空ける動作

    まとめ

    コンテキストウィンドウは Claude が一度に見ていられる文章量の上限で、ほとんどのモデルは 200Kトークン、最新の Opus 4.7 / Opus 4.6 / Sonnet 4.6 は 1Mトークンまで広げられる。Sonnet 4.5 / Sonnet 4 の 1M ベータは 2026-04-30 で終了するので、長文派は 4.6 系への乗り換えを検討する頃合い。

    私が次にやりたいのは、同じ長い PDF を Sonnet 4.6(200K運用)と Opus 4.7(1M運用)の両方に投げて、端っこに仕込んだ重要な一文をどっちが拾うかを見比べること。机を広げたぶん端っこの紙が読まれにくくなる、という話の真偽を、自分の目で確かめたい。

    「なんとなく重くなったらリロード」を卒業して「机がいっぱい? じゃあ片付けよう」と言える側に回るだけで、Claude との会話の体験はだいぶ静かで気持ちよくなる。少なくとも私は、Claude を眠そうな新人だと誤診するのをやめられた。


    関連リンク(一次情報)

  • /clear ー 「会話、本当に全部消えるの?」と最初は怖かった

    /clear ー 「会話、本当に全部消えるの?」と最初は怖かった

    あれ、これだったのか

    /compact を覚えた翌日、また同じ場所でつまずいた。「で、/clear って何が違うんだっけ?」。前日の自分が「混同しないように」とわざわざメモまで残していたのに、翌朝の私は冷蔵庫の前で「あれ、何しに来たんだっけ」と固まる人みたいな顔になっていた。記憶喪失の主人公どころか、記憶喪失の脇役である。

    /clear を最初に打ったとき、私は本気で「Ctrl+Z で戻せる」と思っていた。戻せない。戻せないと知ってから、私はこのコマンドにきちんと敬意を払うようになった。


    結論マップ(ビフォー/アフター)

    場面/compact/clear
    会話の中身要約だけ残る完全に消える
    続きの作業前提を引き継げるゼロからやり直し
    こんな時同じ作業の続きで軽くしたい完全に別のテーマに切り替えたい

    3行で済んだ。これを最初に貼ってくれていたら、私の月曜の朝はもっと穏やかだった。


    要するに何ができるか

    /clear は Claude Code(Anthropic がターミナル向けに出している AI コーディングツール)に標準搭載されている 会話リセットコマンド だ。打った瞬間、これまでの会話履歴・要約・参照していたファイル一覧などすべてのコンテキスト(Claude が会話中に覚えている前提情報)が空になり、新しいセッションIDが発行される。

    似たコマンドに /compact があるけれど、こちらは「要約を残して続きを話せる」状態にする道具だ。/clear は要約すら残さない、文字通り 机を全部片付ける コマンドである。引っ越しではなくリセットボタン。映画でいうと、/compact は「主要キャラだけは思い出している記憶喪失モノ」、/clear は『メメント』のラスト直前で全部リセットされる側、と説明したい(観てない人ごめんなさい。要するに、めちゃくちゃ綺麗に忘れます)。


    とりあえずやってみる

    1. Claude Code を起動して、何か適当な会話を3〜4ターン続ける(例:架空のメモアプリの仕様を相談する)
    2. プロンプト入力欄に /clear と打って Enter
    3. 1秒もしないうちに Conversation cleared, new session started のような確認メッセージが返ってくる
    4. そのまま同じターミナル画面で、まったく別の話題を打ってみる(例:今度はレシピ管理アプリの設計)
    5. 試しに前の会話の単語(さっきのメモアプリ名など)を出してみると、Claude は素で「?」という顔をする(テキストなのに顔が見える、不思議)。きれいに忘れていれば成功

    私が使ったコマンド

    架空のレシピアプリ「fridge-friend」の設計を Claude と話し込んでいた、という想定で読んでほしい(実在しません。私の冷蔵庫は今だいたい白菜と豆腐で構成されています)。

    > /clear
    Conversation cleared, new session started.
    Session ID: sess_4f7a2c19b3e5d8a1
    > 別件です。jp-vacation-planner という旅行アプリの初期設計を相談したいです。

    💡 ポイント: Session ID が新しく発行されたら成功の合図。古いセッションは Claude 側でも参照できなくなるので、「さっきのレシピアプリの話、もう一回見せて」とお願いしても、Claude は丁重に「初めまして」と返してくる。完全に他人。同窓会で「俺だよ俺、覚えてないの?」と言われた側、と言ってもいい。

    /compact と違って引数(/clear 〇〇は残して のような指定)は基本的に効かない。残したいものがあるなら /compact、と覚えてしまったほうが手っ取り早い。


    ここで止まった

    • 「Ctrl+Z で戻せると思っていた」: 戻せない。/clear は完了系のコマンド(実行後は取り消し不可)。私はメモアプリの仕様を全部消したあと、5分くらい無の表情で画面を眺めた。タイムマシンが欲しくなる瞬間、上位5位には入ると思う
    • 「/compact の上位互換だと思っていた」: 違う。/clear は「要約も要らないから空にしてほしい」という主張のあるコマンドで、続きをしたいなら /compact、別件に切り替えるなら /clear、と用途で分けるのが正しい。柔道の払い腰と背負い投げを同じ技だと思っていた中学生の私と同じ間違いだ
    • 「auto-compact が動くなら自分で打つ必要ない?」: コンテキストが満杯近くになると確かに自動圧縮は走る。けれど、それは要約を残す動きで、別の話題に切り替えたい時はその要約がむしろ邪魔になる。レストランで前のお客さんの食器が残ったまま注文する、あの居心地の悪さ、と説明したい

    結論だけ言う

    /clear は会話を空にして新しいセッションを始めるコマンド。/compact が同じ仕事の続きを軽くする道具なら、/clear はテーマごと切り替える道具。両者を混ぜて使うと、やった本人だけが30分後に「あれ、さっきの話どこ行った」と途方に暮れることになる。

    私は /clear を覚えてから、別プロジェクトに切り替えるときの罪悪感が減った。「前の話、ちゃんと覚えていてあげなくちゃ」と Claude の背中を押すような気持ちで居続けていたけれど、別件は別件として 先に机を空にしてから始める ほうが、お互い気持ちよく仕事できる。引き出しは整理してから新しい服を入れる、というやつだ。


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