「申込書PDF、ご記入のうえご返送ください」で固まった夜
「こちらのPDFに必要事項をご記入のうえ送り返してください」――この一文を見た瞬間、PCの前で頭を抱えた経験、私だけじゃないと思う。20ヶ所近い空欄。印刷して手書きするとミスる、書き直しでまた印刷、Adobe Acrobatの体験版をまた入れ直すのか、というあの心労。先週の私の話だ。
その夜、昨日のxlsxスキルでExcelが本物で出てきた経験から味をしめて、ダメ元でClaudeに「このPDFに名前と住所を入れて」と頼んだ。返ってきたのは、まさかの記入済みのPDFそのもの。Adobe Readerで開いたら、空欄に私のテキストがきちんと収まり、PDFの構造はそのまま生きていた。「PDF、編集まで面倒見れたのか」と画面に向かって言ってしまった。
結論マップ(ビフォー/アフター)
| 項目 | pdfスキルを知る前 | pdfスキルを知ったあと |
|---|---|---|
| 申込書PDFの記入 | 印刷→手書き→スキャン→送付、書き間違えて再印刷 | 「このPDFに名前と住所を入れて」で記入済みPDFが返る |
| PDFから情報を抜き出す | コピペが効かない、表は崩れる、何度もやり直す | 「このPDFの表を.xlsxにして」で本物のExcelが返る |
| PDFそのものを作る | Wordで作って「PDF出力」→レイアウトが崩れて修正の連鎖 | 「請求書のPDFを1ページで」で完成形が返る |
結局pdfスキルは何ができるのか
pdfスキルは、Anthropicが公式に配布しているClaudeの組み込みスキルのひとつで、PDFファイル(拡張子 .pdf)を読む・編集する・新しく作るためのもの。スキル、と言われると身構えるが、ここでは「Claudeに『○○の機能』を追加する小さな取扱説明書」くらいに思えばいい。pdfスキルが入っていると、Claudeは「PDFのフォームフィールドとは何か」「表のテキスト座標とは何か」を理解した状態で動き、Adobe Readerでちゃんと開ける形のファイルを返してくれる。
公式の組み込みスキルは現時点で4種類ある:
- docx ー Word文書(.docx)の生成・編集
- xlsx ー Excel(.xlsx)の生成・編集
- pptx ー PowerPoint(.pptx)の生成・編集
- pdf ー PDFの読み取り・編集・生成 ← 今日の主役
特別なインストールは要らない。ファイル作成(コード実行)が有効な環境なら、最初から使える。Coworkモードもこの条件を満たしているので、私は何も設定しないまま動かせた。私と同じMaxプランでなくても、Free・Pro・Teamいずれのプランでもファイル作成が有効になっていれば呼び出せる。
裏側でClaudeが何をしているか
PDFと聞くと「もう完成された印刷物」のイメージがある。が、実態はそうでもない。中身を覗くと、座標とフォントとテキストが並んだ「組版データ」だ。docxやpptxと違って読み取り側のニーズも強いので、pdfスキルは複数のPythonライブラリを使い分けている。
- pypdf ー PDFの結合・分割・回転・暗号化解除など、構造をいじる作業
- pdfplumber ー テキストや表の正確な抽出、Excelに渡せる形での切り出し
- reportlab ー 新規PDFの組版(請求書・レポート・証明書を一から作る)
- pytesseract ー スキャンされた画像PDFのOCR(画像になってしまった文字を起こす)
グーテンベルクが活版印刷を発明したとき、500年後にPCの中で印刷物が量産されるとは思わなかっただろう。私は契約書の写真PDFをチャットにドラッグして「条項3を要約して」と頼んだら、画像から文字を起こして要約まで返してくれて、しばらく信じられなかった。
実際にやってみた手順
私が初めてpdfスキルを使ったときの流れを、そのまま書いておく。Coworkモードで実行している。
- CoworkのチャットにPDFをドラッグ&ドロップする(記入したい場合・読みたい場合)
- やってほしいことを書く。「.pdfで」「PDFの○○を」のようなトリガー語を含めると確実にスキルが起動する
- Claudeから内容の確認が入ることがある(記入する氏名・住所、抽出したい列、生成するPDFの構成など)
- 結果がチャットにダウンロードリンクとして表示される
- 修正があれば「住所の番地を訂正して」「2ページ目の表を縦並びに」と続けて頼むと差分版のPDFが返る
ここのコツは、ステップ2で「PDF」「.pdf」のいずれかの単語をきちんと入れること。「ファイルで」「書類で」だけにすると、Word文書やテキストが返ってきてしまうことがある。
実際に打ったプロンプト
実際に私が試したプロンプトを3つ。固有名詞は架空のものに差し替えた。
【プロンプト1:申込書PDFの記入】添付のPDF「申込書.pdf」のフォームフィールドを以下の値で埋めて、記入済みの.pdfで返してください。氏名: 山田 太郎住所: 東京都中央区銀座1-2-3電話: 090-0000-0000申込日: 2026-05-10希望コース: スタンダード入力後、各フィールドが空欄になっていないか確認してから返してください。【プロンプト2:PDFの表をExcelに】添付の「四半期売上.pdf」(5ページ)から、2ページ目と3ページ目にある表(製品別売上の一覧)だけを抜き出して、1つの.xlsxにまとめてください。列名はPDFの見出しをそのまま使ってください。【プロンプト3:請求書PDFの生成】以下の内容で請求書のPDFを1ページ作ってください。宛先: 株式会社サンプル 御中件名: 2026年4月分 ご請求書明細: - コンサルティング料 x 1 = 100,000円 - 資料作成料 x 1 = 30,000円消費税10%を別行で記載、税込合計を最後に明記。振込先: 架空銀行 銀座支店 普通 1234567シンプルな配色(白+黒+細い罫線)、A4縦、左上に発行日。
💡 ポイント:「.pdfで」もしくは「PDFで」と書くとスキルが確実に起動する。「ファイルにして」だけだとMarkdownやテキストが返ってくることがあるので、形式は明示した方がいい。
プロンプト1のように、既存のPDFを添付して「これに記入して」と頼むやり方が、私のなかでは最強だった。手書き→スキャン→送付の工程がまるごと消える。
詰まった順に並べると
10日ほど使ってみて、私が引っかかったポイントを3つだけ。
- フォームフィールドがないPDFは記入できない: 「フィールド」とは、PDF制作時にあらかじめ用意された入力枠のこと。これがないPDF(紙をそのままスキャンしただけのPDF)は、Claudeに頼んでも「フィールドが見当たりません」と返ってくる。その場合は「テキストレイヤーを上から重ねる」依頼に切り替えると、見た目に書き込んだ風のPDFは作れる。提出物として相手に認めてもらえるかは先方次第なので、提出前に体裁を確認すること。
- OCRは画質に勝てない: スキャンPDFが斜めだったり、字が薄かったりすると、抽出されたテキストに誤字が混ざる。私は契約書の重要箇所が「第3条」が「第8条」に化けていたケースに出会った。重要書類は必ず原本と突き合わせること。OCRは下読みの相棒、ぐらいの距離感がちょうどよかった。
- 長いPDFを丸ごと「要約して」は雑になる: 100ページ超のPDFを「要約して」と頼むと、章ごとに飛び飛びの要約が返ってきて、論点が抜けることがあった。「序章だけ」「第3章の論点だけ」と章単位で切って頼んだ方が、密度が安定した。
で、結局どうなの
「AIでPDFを扱う」と聞くたびに、私は「どうせ抜き出すだけでしょ」と思っていた。pdfスキルは、その想像を3方向に超えてきた。読み取りだけじゃない、記入も新規生成もできる。docx・xlsx・pptxの3スキルが「Claudeが書類を作れる」話だったとすると、pdfは「Claudeが書類を読んで・直して・作れる」話だ。一段ぶん深い。
4月30日のdocx、5月8日のpptx、5月9日のxlsx、そして今日のpdf。Anthropicが配っている公式の組み込みスキル4種を、ようやく全部試し終えた。私の体感としては、毎日の業務にいちばん溶け込んだのはpdfだった。Word・Excel・PowerPointは「自分で作る側」が多いが、PDFは「日々飛んでくる側」だからだ。届いたPDFを開いてため息をつく時間が、これで何分か返ってきた。
関連リンク
- Agent Skills – Claude Docs
- anthropics/skills – pdf SKILL.md(公式リポジトリ)
- Create and edit files with Claude – Claude Help Center
この記事について
本記事はAI支援を経て作成しているため、内容に誤りが含まれる可能性があります。実行前に公式ドキュメントをご確認ください。 情報は2026-05-10時点でのものです。Claudeの機能は頻繁に更新されるため、最新情報はAnthropic公式サイトをご参照ください。 本記事の内容は筆者個人の学習過程であり、いかなる保証もするものではありません。

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