ウォーリーをさがせ、状態だった
「C:\Users\ユーザー名\.claude\settings.json を編集してください」。チュートリアルにそう書いてあった。私はエクスプローラーを開いた。Users を開いた。自分の名前のフォルダを開いた。.claude フォルダを探した。ない。
ない。何度見てもない。スクロールしてもない。検索してもない。私はその日、3時間ほど「自分のパソコンには .claude フォルダが存在しないバグ」と本気で戦って、最終的にClaude本体の再インストールまで試した(もちろん解決しなかった)。先に結論を言うと、フォルダは最初からそこにあった。ただ私の目に映っていなかっただけである。ウォーリーは赤と白のシマシマで主張しているが、隠しファイルは主張すらしてくれない。
結論マップ(ビフォー/アフター)
| 場面 | これまで | 隠しファイル表示後 |
|---|---|---|
.claude フォルダ | 「存在しないバグ」と疑う | 普通にユーザーフォルダ直下にある |
.gitconfig などの設定ファイル | チュートリアルが嘘だと思う | 一覧にちゃんと並んでいる |
| 表示切り替え | 知らない(3時間悩む) | エクスプローラーの「表示」から1クリック |
3行で済む。ウォーリーは見つかれば赤白シマシマだが、隠しファイルは表示設定をオンにすれば普通の名前で出てくるだけだった。
そもそも「隠しファイル」とは
隠しファイル(および隠しフォルダ)は、ファイル管理ツールが標準では一覧に表示しないファイルのこと。Windowsだと、ファイルの「属性」に 隠し(Hidden) という旗が立っているもの、もしくは 名前がドット(.)で始まるもの(後者はもともとUnix系の慣習)が、エクスプローラーの初期設定では非表示になる。
なぜ隠すのかというと、OSやアプリの動作を支える「触ってほしくない設定ファイル」が、普段の作業の邪魔にならないようにするためだ。.claude・.gitconfig・.env・.ssh など、ドットで始まるフォルダ/ファイルは、各アプリが「自分の設定置き場」として勝手に作っていく場所で、たいていは触らないほうが幸せに暮らせる。Claudeの設定をいじるときだけ、こちらから「ちょっと見せて」とお願いする、くらいの距離感がちょうどいい。
ちなみに、ドットで始まる名前のことを英語圏では dotfile と呼ぶ。「設定ファイルの集合体」の通称みたいなもの。Macを使っている開発者の方が「dotfilesをGitHubで公開してます」と言っているのは、たいていこのドット系設定の集まりを共有している、ということだ。
Windowsで表示する:3クリックで終わる
- エクスプローラー(Windowsのファイル管理ツール)を開く
- ウィンドウ上部の 「表示」 メニューをクリック
- 出てきたサブメニューで 「表示」 にマウスを合わせる(同じ名前が二段階続くので、ここで一度迷子になりがち)
- 一覧の中にある 「隠しファイル」 にチェックを入れる
- 一覧に薄い色の
.claudeフォルダやAppDataなどが追加で表示されるようになる
これで .claude フォルダが姿を現す。薄いアイコンで表示されるのは「これは隠しファイルですよ、本当にいじっていいんですか?」というOSからの優しい警告だと思っている(薄いまま3日くらい眺めていれば、勝手に消えてくれるわけではない)。
なお、Windows 10 の頃はリボン(タブ式メニュー)の中に「隠しファイル」のチェックボックスがあった。Windows 11 で「表示 → 表示」の二段構えに変わって、これが地味に分かりにくい原因になっている。私もWindows 10時代の手順をうろ覚えで探していて、しばらく途方に暮れていた。
PowerShellで一発で見る方法
エクスプローラーの設定をいじりたくない、見るだけ見たい、という場合は、ターミナル(PowerShell)から覗くのが速い。
# 隠しファイルも含めてユーザーフォルダの中身を一覧> Get-ChildItem -Force C:\Users\Ranni# 略記版(dirとlsはGet-ChildItemの別名)> dir -Force C:\Users\Ranni> ls -Force C:\Users\Ranni# .claudeフォルダの中身を直接見る> Get-ChildItem -Force C:\Users\Ranni\.claude
💡 ポイント:
-Forceオプションが「隠しファイルも全部見せて」のスイッチ。これを付けないと、PowerShellでもエクスプローラーと同じように隠しファイルが省略される。コマンドプロンプト派の人はdir /aでも同じことができる(/aが「全部表示」フラグ)。「/なのか-なのかキッチリしてくれ」と言いたくなるが、これはWindowsの歴史の都合なので、両方覚えるしかない。
エクスプローラーの設定を恒久的にオンにしてしまうと、システムフォルダ(普段は触らないやつ)まで一斉に薄く出てきて視界が騒がしい。「触りに行くときだけPowerShellで覗く」 というやり方は、いつもの机の上を散らかさずに済むので、私は最近こちらを使うことが多い。
Macで表示する場合(参考)
私はMacを持っていないので実機では試していないが、公式ドキュメントや一般的なTipsとして広く紹介されている方法をひとつだけ書いておく。Finder(Macのファイル管理ツール)を開いている状態で、キーボードの Cmd + Shift + .(ピリオド) を押すと、隠しファイルの表示が切り替わる、と紹介されている。もう一度同じキーを押すと非表示に戻る、いわゆるトグル式。
つまり、「隠しファイルを見たいときだけパッと出して、見たら戻す」が1ショートカットで済む、ということになる。Windowsの「表示 → 表示 → チェック」の3段階よりだいぶ楽そうで、これに関してはMacユーザーが少しだけ羨ましい。
つまずいたところ
.claudeフォルダを「Claudeアプリの中」で探していた: Program Files やインストール先を必死に探したが、.claudeは ユーザーのホームフォルダ直下(C:\Users\ユーザー名\)にできる。アプリ本体ではなく「ユーザーごとの設定置き場」だからだ。これはWindowsだけでなくMacもLinuxも同じ慣習らしい- 「隠しファイル」と「保護されたシステムファイル」を混同していた: エクスプローラーには「隠しファイル」と「保護されたOSファイル」の2つの非表示設定があり、後者はさらに別チェック。
.claude程度なら「隠しファイル」をオンにすれば見えるが、AppDataのさらに奥などを見たいときは両方オンが必要になることがある。普通は前者だけで足りる - 見えるようにしたついでに、要らないものまでいじってしまった: 表示が増えると「これ消していいかな」とつい手が伸びる。基本的に、ドットで始まるファイルは「アプリが自分のために置いた手帳」なので、勝手に消すと当のアプリが「あれ、私の手帳どこ行った?」となる。設定が初期化されたり、起動時にエラーが出たりする。見るだけにとどめるのが安全(私は一度
.gitconfigを実験で消して、Gitの自分の名前が消えた)
今日のまとめ
隠しファイルは、OSやアプリの設定ファイルが「日常の視界」を汚さないように、最初から見えなくしてあるだけのもの。バグでもなければ消えているわけでもない。Windowsならエクスプローラーの「表示 → 表示 → 隠しファイル」、PowerShellなら Get-ChildItem -Force。これだけで .claude フォルダは姿を現す。
ウォーリーをさがせは見つけたら満足だが、隠しファイルは見つけてからが本番だ。設定を覗いて、必要なら少しだけ書き換えて、また閉じる。「触らない人には見せない、触る人にはちゃんと見せる」という、わりと礼儀正しい仕組みだったんだな、と今は思う(3日詰まっていた1週間前の私には、まだ伝わらないだろうけれど)。

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